本文へスキップ
← 放浪記
0%

北アルプスの山小屋で働く話8 北アルプスの山小屋で働く話8

放浪記 第四百四十九話
約2分 · 1,071字

Rくんの本性

目つきが悪く無口なR君(二十歳)は徐々に仕事に慣れて行っていた。

慣れていくにつれて、彼のキャラクターが大きく変わっていく。

彼は無口なのではなく、実は物凄く極端に人見知りする性格だったらしい。

しかも、地元の栃木ではとんでもない不良だったらしく、銀色のスーツを着て通りを練り歩いていたという。

彼曰く、栃木ほど柄の悪い土地はなかなかないという。

彼の目つきの悪さは、人見知りだけではなく、彼の遍歴も影響していたようだ。

さらには、彼は目の縁にアイシャドーの刺青を入れていた。

そのアイシャドーも目つきの悪さを作り出していたのだ。

目の縁に刺青をするなど、恐ろしくてなかなか考えつくものではないが、これも不良の世界の自己顕示方法だったのだろう。

経歴

R君が段々と人慣れしてくるにつれて、R君の異常な経歴で話が盛り上がってくる。

兄弟が7人いたらしく、それゆえに子供時代は極度な貧しさを経験していたらしい。

そういったことが彼の不良時代に繋がっていた。

彼の手をよく見てみると、根性焼きで埋め尽くされている。

根性焼きとは、不良学生たちが自身の根性を披露するために、火のついたタバコを自身の手の甲に押し付けて焼印を入れるものだ。

彼の手の甲の皮膚は火傷により一旦溶けた後に固まったような、溶岩のような特殊な皮膚になっていた。

他にも、彼は背中や胸に厳つい刺青があるのかして、シャツを脱ぐことはなく、腕には常に包帯を巻いていた。

そんな彼には、いかにもなあだ名が付けられるのだが、それを言うと身バレするので、ここでは伏せておく。

二十歳

R君は弱冠二十歳だったが、その本性は二十歳のものではなかった。

人見知りだが、根性は据わっており、常に絶対的な自信に満ちていた。

それは修羅場をくぐり抜けてきたことから来ている絶対的な自信のようで、後々には俺は自分の目にうつる範囲の誰と喧嘩しても絶対に勝つ自信があると豪語していた。

Rくんは側から見ていて面白かったが、あまりにも極端な不良だったので、僕は仲良くなりきれずにいた。

前の記事 | 次の記事

前話
次話