共産主義国家中国を旅する話3(放浪記066)

放浪記 #66 約3分 1,724字
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上海のレストラン

三日間の船酔いと、何も食べていない空腹で弱り切っていたが心は高揚していた。

意気揚々と上海の街へと繰り出す。

船酔いが収まり、とりあえず何かを食べたいので、レストランを探して歩いた。

食べ物っぽい文字を書いた看板がビルの2階に掲げてある。

階段を登って店内に入ると、予想通りレストランだった。

家庭的な雰囲気がありつつも、整頓されていて清潔な感じが気持ちいい。

こじんまりとした二十人ほどが入るレストランには、客が数人座っている。

入った時間が午後3時くらいだったので空いていたんだと思う。

手に持っていたガイドブックに書いてある料理を注文する文字を指して読んでもらう。

やはり筆談は有効なようで、すぐに理解してもらえた。

この様子なら今後の旅も何とかなりそうだ。

しばらく待っていると、大皿に乗った中華風の魚のフライが出て来た。

衣をまぶして揚げた魚に甘酸っぱいあんかけソースがかかっている。

お皿に乗ったご飯と暖かいお茶のサービスもある。

お味の方は、さすが中華料理の本場だけあって、全くの文句なし。

質素な旅をしようと思っていた矢先に、最高に美味しい魚料理を食べて、大いに満足していた。

お会計

問題が起こったのは会計の時だった。

料金が1500円ほどと、中国にしては異様に高かったのだ。

注文の仕方がわからなくて、値段を確認しなかったのも良くなかったと思う。

というか、値段の確認の仕方は分からなかったし、注文の仕方も分からなかった。

どうして良いかもわからず、言われるままにお金を払い、文句を言う方法もわからずに、シェシェ(ありがとうの意)とだけ言った。

ぼったくられたのか、それとも高級料理だったのか、それとも値段の相場がそんなものなのか?

美味しくて満足した後だっただけに、何ともスッキリしない思いが残ったが、今後気をつけようと言う想いと共に店を去った。

何が問題だったかには、後になって気づいた。

ガイドブックに書いてあった中国語が、”この店で一番美味しい料理を出してください”と言うものだったのだ。

お店の人は日本人の客が言うままに、値段を気にせずにその店で一番美味しい料理を出して来た、と言うだけの話だった。

宿

美味しい食事でお腹が膨らんだので、今日しなければいけないことは、今晩の宿を見つけることだけだ。

ガイドブックを見ると、いくつかのホテルの名前が書いてあるが、そこそこの値段がする。

節約しながら貧乏旅行を続けたい僕にはできれば避けたい選択肢だ。

通りを街の中心地へ向かって歩いていると、宿っぽい文字の看板が見えて来た。

古臭いビルディングや、あまり清潔そうには見えない窓の感じから、結構安く一晩過ごすことができるのではないかと想像し、入り口を入ってみた。

壁に料金表が掛かってある。

ガイドブックに載っている宿よりも随分と安い。

これは助かったと思い、フロントにいるおじさんに、今晩泊まりたい旨を伝える。

伝わったのか伝わってないのかは判らないが、断る仕草をしている。

満室なのだろうか?

諦めて、別の宿へと向かう。

この宿も、結構安くていい感じ。

泊まりたい旨を伝えるが、何故かまた断られる。

こんな感じで5件ほど断られた後に、ようやく泊めてくれるところを見つけた。

レストランで散財した後だったので、安い宿に泊まれたことが嬉しい。

部屋は4畳半ほどのスペースに簡易ベッドと小さな机があるだけのシンプルな造り。

窓にはカーテンが掛かっていて、外を覗くと隣のビルが見える。

机の上には魔法瓶が置いてあり、熱湯が満タンに入っている。

とりあえずこれで一安心。

日本から無事にここまで来れたし、お腹もいっぱいで安心して眠れる場所を見つけた。

この日は持って来ていたノートに日記を書いてから床についた。

つづく。。。

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