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放浪記 第百十七話 旅路の証人 限定
約5分 · 2,424字

友人達

クリスマスの12月が近づくにつれて旅人の数が増えてきた。

日本人女性のOちゃんがやってきたのもこの時期だ。

僕がゴアに来て以来ずっと遊んでいるYさんは、元暴走族の現格闘家で、映画助監督の業界人の遊び人。

独身女性のOちゃんが来て嬉しかったのだろう、瞬く間に手を出した。

厳格な宗教家庭に育った故に女性に対して奥手な僕は、その早業に驚愕した。

Yさんが、完璧なこの俺の唯一の弱点は顔面だと自認するほど、Yさんの顔面偏差値はかなり低い。

お世辞にもモテるような見た目とは言えない。

子供の時から体力も性欲も有り余る番長の彼は、モテたいという欲求と自分の顔面という弱点と向き合い切り、全人生をかけてモテるための能力を磨きぬいた。

その思いが、気遣いの心や責任感や、強きを挫き弱きを助くといった、少年ジャンプのヒーローのような価値観を彼に身につけさせた。

彼の思春期のヒーローがマッチ(近藤真彦)というのも頷ける。

彼は自分の考えるヒーローの道を直走っており、それが暴走族や格闘技や映画助監督の道へと進ませたようだ。

Oちゃんは、都会出身の映画音楽オタクで、僕たちは共通の趣味ですぐに仲良くなった。

満月の日

忘れもしない1998年12月4日。

この日は満月だった。

ついに12月に突入し、ゴアのパーティーシーズンが始まる。

僕たちは五十人ほどが集まるビーチのバーのパーティーを楽しんでいたが、それは飽くまでも管理されたパーティー。

本物のパーティーがどんな物なのかはこの日までは知らなかった。

数日前から地元のバイクタクシーのドライバー達は、満月の日にアンジュナでパーティーがあるぞと嬉しそうに教えてくれていた。

パーティーは彼らにとっても稼ぎどきなので、嬉しいのだろう。

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