放浪記
20年以上の世界放浪を綴った自伝的連載。各地での出会いと別れ、日々の断片を残しています。
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モロッコで21世紀を迎える話33(放浪記376)
フェスティバル会場についてキャンプを始めたものの、フェスティバルの開始は遅れていて待てども待てども何も始まらない。 たった数日前に全ての建築物が全壊したことを知っている身としては、文句を言わずに待つだけだ。 ヨーロッパの質の高いフェスティバルを経験している客からは不満の声が聞こえ

モロッコで21世紀を迎える話32(放浪記375)
とうとう待ちに待ったフェスティバル開催の日がやってきた。 20世紀の2000年12月30日に始まり、21世紀の2001年1月2日に終わる世紀超えフェスティバルだ。 世紀をまたぐチャンスなど一生に一度あるかないかだ。 この特別なタイミングを祝うために世界中から旅人がやってくる。 そ

モロッコで21世紀を迎える話31(放浪記374)
砂漠へ降る4年ぶりの雨に人々は歓喜していたが、この天候の軌跡がもたらしたものは喜びだけではなかった。 雨の量は大したものではなかったが、それでも真冬の砂漠の気温を下げることには成功した。 一部で気温が下がり、一部では同じ気温のままだとどうなるかというと、風が吹くのである。 そして

モロッコで21世紀を迎える話30(放浪記373)
つい先日にクリスマスを超えたところだが、イスラム教徒の国であるモロッコでは、クリスマスには何の意味もない。 彼らにとって重要なのは、一ヶ月ほど前から始まった長期断食の儀式だ。 国によって断食の厳しさ具合は違うらしいが、ここモロッコでは比較的緩く、断食といっても全く食べないわけでは

モロッコで21世紀を迎える話29(放浪記372)
(以下内容転載禁止、法的対処有。) クリスマスの夜はDさんにもらった魔法のLSDのおかげで最高に楽しい時間を過ごした。 DさんやEさんや、その他のメンツはおもしろカッコよく、面白い旅の話を色々としてくれた。 その場にいたスイス人女性のMさんは日本の六本木でホステスの仕事をして旅を

モロッコで21世紀を迎える話28(放浪記371)
(以下内容転載禁止、法的対処有。) だが、僕がそれまでに経験していたLSDは偽物の経験だったようだ。 通常、LSDには色々な混ぜ物が入っているが、その混ぜ物がLSDの本来の経験を阻害していたようだ。 DさんがくれたLSDは、スイスの研究所から直接手に入れたものだという。 LSDは

モロッコで21世紀を迎える話27(放浪記370)
(以下内容転載禁止、法的対処有。) Dさんが持ってきたマラナ・クリームにはそれを吸うに値するチロムが必要だったが、Dさんは税関で捕まるリスクを避けるためにチロムは持ってきていなかった。 だから、僕がインドから持ってきたチロムを共有した時には大いに喜んでくれた。 僕としても、Dさん

モロッコで21世紀を迎える話26(放浪記369)
(以下内容転載禁止、法的対処有。) 年の瀬が迫り、クリスマスの日がやってきた。 僕たちは、DさんやEさんや彼らの友人たちのスイス旅人チームに誘われて、クリスマスパーティーに参加していた。 彼らの持つ音楽的才能や旅の経験はものすごく面白いものだが、彼らの凄さをさらに際立たせていたの

モロッコで21世紀を迎える話25(放浪記368)
フェスティバルの開催日が近づくにつれて、オーガナイザーチームの混乱が増して行っていた。 順調に進んでいる部分もあれば、滞っている部分もある。 通常では大きなフェスティバルは経験豊かなスタッフ陣がサポートしあって作り上げていくものだが、このフェスティバルはモロッコ史上初の電子音楽フ

モロッコで21世紀を迎える話24(放浪記367)
フェスティバルが始まる前の1週間ほどは、目まぐるしく過ぎていった。 ホテルに集まってくる旅人はどんどんと増えていき、全ての部屋は満室になり、ホテル側は臨時の部屋や臨時の布団などを出して来て対応している。 宿泊料金も大幅に値上げしているようだ。 僕たちは超破格の一日三百円をまとめて

モロッコで21世紀を迎える話23(放浪記366)
フェスティバルの日が近づくにつれて、僕たちの滞在しているホテルも旅人たちで賑わい始めた。 もちろん、このようなイベントがこの砂漠の街で行われることなど初めてのことだし、モロッコ史上においても初の電子音楽フェスティバルになるようだった。 旅人たちは主にヨーロッパ各地からやって来てい

モロッコで21世紀を迎える話22(放浪記365)
ある日突然に、砂漠のオアシスに浮かぶ島の真ん中に日本庭園を作ることになった。 今の時代なら、スマホで日本庭園を検索してなんらかのイメージやアイデアを得られるのだろうが、20年以上前のサハラ砂漠には、メールのやりとりをするのがやっとのインターネットカフェしか無かった。 僕たちの持っ

モロッコで21世紀を迎える話21(放浪記364)
Y君はほんの数日前までは東京にいたらしく、都会っぽさと清潔さと緊張感が漂っていた。 その反面、僕たちは完全に砂漠の街に馴染んでくつろいでいたので、その対比が面白くもあった。 僕たちにとっては、彼の都会っぽさは懐かしくもあったが、少し鼻につく部分もあった。 それは旅に出て砂漠に触れ

モロッコで21世紀を迎える話20(放浪記363)
フェスティバルの開催日が近づくにつれて、ホテル内にも街にも少しづつ外国人旅行者の姿が見え始めた。 通常、この街を通り抜けるのはサハラ砂漠へとツアーに行く旅行者がほとんどだが、今はフェスティバルを目的にしているであろう旅人が目に付く。 年齢層も見た目も雰囲気も大きく違うので間違えよ

モロッコで21世紀を迎える話19(放浪記362)
豪邸に着き中へ入ると、数日前と比べても明らかに人数が増えている。 話によると、フェスティバルの日付が近づいているので、これからどんどんと手伝いの人数が増えていくのだという。 フェスティバルまで2週間ほどなので、これから忙しくなるのだろう。 前回パーティーに来たときは、それぞれのメ

モロッコで21世紀を迎える話18(放浪記361)
この日は、食事が終わった後に車で宿まで送ってもらった。 僕たちは部屋へ帰っても、今日の予想外の出来事に興奮して、なかなか寝付けなかった。 今朝まで思いっきりサハラの民の生活をしていたところに、魔法使いのおじいさんに出会ったことで、とんとん拍子に西洋風の豪邸へと連れて行かれ、色々な

モロッコで21世紀を迎える話17(放浪記360)
しばらくすると食事の準備ができて、皆で食堂に集まる。 テーブルの上に並べられた料理から好きなものをとって食べるバイキング方式だ。 僕たちはここ最近はずっとモロッコの砂漠の現実の中に生活していたので、このヨーロッパ風の生活にびっくりしている。 砂漠の街の生活から西欧風豪邸での生活。

モロッコで21世紀を迎える話16(放浪記359)
ガンドルフ爺さんの印象が強すぎて、オアシスにまで意識がいかなかったが、乾燥して赤くて硬い砂漠の真ん中に、水色に光り輝くオアシスがあるのいうのは余りにも美しく、奇跡を感じさせるような光景だ。 フェスティバルが行われる予定の島は見当たらない。 ガンドルフさんに聞いてみると、雨が降るこ

モロッコで21世紀を迎える話15(放浪記358)
こんな何もない砂漠で、”何か”があることにそもそも驚いたし、その物体が”動く”ことにさらに驚き、それが”人間”だと分かった時にはさらに驚いた。 極め付けはその人物はガンドルフそのものだったことだ。 だが、驚いたのは向こうも同じだっただろう。 まさか、フェスティバルが始まる何週間も

モロッコで21世紀を迎える話14(放浪記357)
僕たちには時間がたっぷりとあったので、フェスティバルをやる予定の場所へ行ってみようと言うことになった。 街から乗合タクシーに乗って20分ほど行ったところで、運転手の指示通りにバスを降りた。 ここがフェスティバルが行われる予定の場所らしい。 少なくともフェスティバルのフライヤーに書

モロッコで21世紀を迎える話13(放浪記356)
僕たちは、基本的になんの意図もなく日々を楽しく過ごした。 全く違う文化圏の全く見知らぬ街に暮らすと言うだけで、何をせずとも最高に楽しい。 もちろん楽しいのは、この何もない砂漠の街が、意外にも結構いい街だったからだ。 人々は素朴で暖かく、僕たちのことを笑顔で迎えてくれる。 後で聞い

モロッコで21世紀を迎える話12(放浪記355)
僕たちにはまともに払うお金がないと言うことを説明し、一泊当たり約300円ならまとめて払うことができると伝えた。 僕たちは宿を必要としていたわけではなかったから、強気の交渉である。 マネージャーは僕たちを気に入ってくれていたと言うこともあるのだろうが、渋々約300円の案を飲んでくれ

モロッコで21世紀を迎える話11(放浪記354)
本当にお金が切羽詰まっていたので、宿に長期滞在することは考えていない。 この日のためにテントを買っているので、どこか郊外に行ってキャンプでもしようと考えている。 キャンプをしたのは、小学生の時に家族親戚と夏休みに出かけた時以来だが、やってやれないような物でもないはずだ。 モロッコ

モロッコで21世紀を迎える話10(放浪記353)
シャウエンで旅の疲れを癒やし、美味しい物をたくさん食べて、目的を果たした僕たちは、今回の旅の目的の本拠地であるワルザザードへ向かうことにした。 ワルザザードはサハラ砂漠の入り口の街だ。 そこから少し離れたところにあるオアシスでフェスティバルが開催されるらしい。 Iちゃんがお金がな