自転車で沖縄へ向かう話10(放浪記504)

 

崖くずれ

 

 

さらに先へ進むと、看板が警告していた通りに、上から崖が崩れてきて、道路が塞がれていた。

アスファルトの道路の上に、5メートルほどの土砂の山が出来ている。

なるほど確かに、崖崩れで通行止めだ。

 

 

だが、車にとっては通行不可能だが、自転車にとっては不可能というほどではない。

ここまできて引き返すつもりもないので、僕は荷物と自転車を2回に分けて肩に担いで、反対側へ行くことにした。

 

 

無事に反対側に辿り着くと、通行止めの看板で引き返さなくてよかったという思いが湧き上がってくる。

僕は再び荷物を自転車に取り付けて、漕ぎ始める

 

 

 

道崩れ

 

 

この道は急な斜面で、坂道をある程度登ると、道はUターンしてさらに上を目指す。

 

 

Uターンして気づいたのは、自分は今、先ほど通過した崖崩れの上に位置しているということだ。

僕がさっき乗り越えた土砂は、今自分の目の前にある道路が崩れ落ちたものだった。

 

 

今度は通行止めではなくて、道自体が崖の下に崩れ落ちて、進むべき道が存在しなかった。

残っているのは道の内側に配置された排水溝のみだ。

 

 

排水溝の幅は40センチほどで、ギリギリ進めないこともない。

道が崩れているのは4メートルほどなので、チャンスは十分にある。

 

 

下を見ると、10メートルほど下に先ほど乗り越えた土砂の山が見える。

落ちても死ぬことはないだろうが、骨折くらいはするだろう。

 

 

仮にここで骨折すると、自力で自転車を漕いで、来た道を戻らなければならない。

 

 

通行止めの道で誰かが偶然に通りかかって助かるなどということもあり得ない。

全ては完全に自己責任の上にあった。

 

 

日も暮れてきているので、決断は早急に下す必要があった。

 

 

続く。。。 

 
 
 

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