自転車で沖縄へ向かう話9(放浪記503)

 

高知

 

 

高知県にたどり着くと、また雰囲気が少し変わった。

どことなく垢抜けているのである。

空気感が明るいと言うか、雰囲気が軽いと言うか。

南に面した湾の県なので、暖かく穏やかな自然環境なのかもしれない。

 

 

高知市は小さなもので、市街地を抜けるとすぐに自然に溢れた漁村になった。

海は穏やかで澄んでいる。

 

 

海辺に座って昼食を食べていると、海中にカラフルなものが見える。

なんと、それは珊瑚だった!

 

 

市街地からそう遠く離れていないし、そもそも大阪湾から自転車で数日の距離。

まさか、こんなところで珊瑚が見られるとは思いもよらなかった。

 

 

いろいろな自然と出会えることが嬉しくて仕方がない。

 

 

 

飲酒運転

 

 

僕は高知から向かって、四国の北西の端っこにある港を目指して、山中の国道を走ることにした。

 

 

国道沿いを走って自転車旅を続けるのだが、海沿いの国道と山中の国道では、人々の利用頻度が大きく違う。

山道に入ると一気に田舎具合が増す。

 

 

ある時などは、軽トラに乗ったおじいさんがビール片手に運転していた。

まさか日本でこのレベルの緩さを目撃するとは思っていなかったので、衝撃を受けたが、周囲何キロも家がなくて車も走っていない状況を見ると納得するものがあった。

 

 

 

近道

 

 

さらに山奥に向かって進んでいくと、「この先崖崩れで通行止め」の看板が出てきた。

 

 

この山道は一本道で、引き返すと大幅に遠回りする必要があり、数日分の時間の無駄になる。

車やバイクなら、引き返すこともそこまで億劫ではないだろうが、自転車で山道を何時間もかけていると、話は別だ。

 

 

僕は「成るように成る」と言った思いで突き進み続ける。

通行止めの看板からさらに一時間ほど漕ぎ進めた先には、「崖崩れのために通行止め」の看板と共に、ロープを貼って通れないようになっていた。

2度目の警告だ。

 

 

僕はそのロープの下を通ってさらに進み続ける。

ここまできたら、崖崩れとはどんなものか自分の目でみてやろうという心境だ。

 

 

続く。。。

 
 
 

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