サハラ砂漠のオアシスで共同生活する話32(放浪記420)

 

終わりの時

 

僕たちの共同生活に終わりの時が近づこうとしていた。

 

そもそもこの共同生活がどのような意味を持っているのかは、誰もまともに理解できていなかったが、それと同時に誰もこの共同生活が無限に続くとは考えていなかった。

 

その限界は、ガンドルフさんによってもたらされた。

 

お金が尽きたのである。

実際に彼の財産の全てが尽きたわけでは無いだろうが、彼が皆に無償でただめしを食わせたいと思うお金が底を尽きたのだと思う。

 

もっと言うと、Rさんを追い払う方法として共同生活を終わらせる決心をしたのでは無いかと思う。

 

最後の頃には、Rさんの存在はガンドルフさんの悩みの種になっていた。

Rさんのもつ悩みがガンドルフさんに感染したような形だ。

 

 

告知

 

終わりの告知は突然にやってきた。

 

ガンドルフさんは言う。

「三日後に小屋の家賃の更新時期がきているが、お金がないのでこの暮らしを解消したいと思う。」

 

また、彼のビザも期限が近づいてきており、過去に何度かオーバーステイをしているため、もう2度とオーバーステイをすることが出来ないので、絶対に一旦は国外に出ないといけない。

 

色々な条件が重なり合い、この生活を続けることはできなかった。

それは誰にとっても良い頃合いだったのだと思う。

 

 

キャンプ

 

だが、僕もIちゃんもまだ物足りなかった。

だからこの共同生活が終わっても、後数日は湖ぞいでキャンプをすることを選択した。

 

話に聞くと、小屋のそばに流れている小川は、湖へと流れ込む途中で、段差のある岩場を通り、滝のようになっているという。

その滝の周辺でキャンプをして過ごそうと言う計画だ。

 

その話に飛びついたのがYくんだ。

彼は面白い話に飛び乗るのが上手い。

 

日本人だけでキャンプをするのも面白い話だと言うことになり、即座に話がまとまった。

 

 
 
 
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