イギリスへ向かう話1(放浪記434)

 

お別れ

 

Iちゃんのフライトは僕よりも先だったので、日本へ旅立つお見送りをした。

 

お互いに納得ずみの別れなので、悲しみなどはない。

納得しあい、笑顔でお互いを見送ることができた。

 

今後どうなるかは全くわからないが、またいつか会う日が来ることを分かっている。

 

強い感情に圧倒されるが、ネガティブなものではない。

 

僕はその思いを心に留めながら、ロンドンへと向かった。

これから新しい生活が待っている。

 

 

イギリス

 

飛行機は1時間ほど空を泳いであっという間に異国の地へと辿り着いた。

 

とりあえず予定通りにNちゃんの家へと向かう。

またしばらくNちゃんの家にお世話になるつもりだ。

 

心の通った旅人の親友というのはありがたいものだ。

いつだって世話になることができるし、どんなことでも助け合える関係だ。

 

数日滞在する間に新しい住処を見つけようと考えている。

 

四ヶ月ぶりの再開だが、Nちゃんは特に何も変わっていない。

肌の色が白くなったことくらいか。

Nちゃんに比較すると、僕の肌は真っ黒だ。

 

この四ヶ月間に僕が通ってきた経験は計り知れないものだ。

 

 

Nちゃんち

 

Nちゃんとの久しぶりの再会を祝し、おいしい食事を食べて歓談する。

 

今後はロンドンで暮らしながら、音楽活動に身を入れていきたいと考えている。

パソコンでの作曲がメインになるので、既に日本からパソコンを送ってもらっている。

 

母は、送料が高いからロンドンで新しいパソコンを買ったほうがいいんじゃないか?と提案していたが、僕はそれを押し切って送ってもらうことにした。

 

僕の貯金は底をついていたので、すぐにパソコンを買うことができない、だが直ぐに音楽活動を再開したいと考えていた。

 

Iちゃんが日本で演劇の練習に励むのだから、自分もこの機会を利用して芸術に打ち込みたいと考えていた。

 

 
 
 

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