日本へ向かう話3(放浪記438)

 

アルバイト

 

山小屋の仕事が決まったのはいいが、仕事が始まるまでまだ二ヶ月ほど期間がある。

Iちゃんは劇団の練習で忙しいが、僕は特にすることもなくぶらついている。

 

どちらにしろお金がなかったので、時間潰しがてらにバイトをすることにした。

以前、快適にピザ屋で配達のバイトができたので、また配達の仕事ができたら良いなと思い、探してみると、近所のチェーン店レストランのガストで配達の仕事を募集していたので、応募してみた。

 

この辺りはさすが大阪と言うことができるだろう。

仕事をしたければいくらでも可能性がある。

 

海外を旅していたり、日本でも田舎の方にいれば、ここまで簡単に仕事は見つからなかったかもしれない。

 

二ヶ月後に辞めるという限定期間だったにもかかわらず、簡単に採用してもらうことができた。

 

 

ガストの裏側

 

ガストでの仕事は単純なもので、配達の注文があれば配達し、配達がなければ、ハンバーグを焼いたり、うどんを茹でたり、スプーンとフォークを分けたりの仕事をしていた。

 

仕事自体は単純だったが、チェーンレストランの裏側など想像したこともなかったので、ある意味で刺激的な旅のように感じていた。

 

まず驚いたのが、誰も料理を作っていないと言うことだった。

全ての料理は機械で作られた冷凍のもので、プラスチックの袋を開けて、火を通してお皿に入れて出すと言う単純なものだった。

 

鉄板で焼いたりオーブンで焼いたりお湯で茹でたりなどはまだ良い方で、レンジでチンするだけの料理などもあった。

お客さんが注文し、バイトが冷凍庫から中身を取り出して、レンジでチンしてお皿に並べる。

それをウエイトレスがお客さんに届ける。

 

これがなぜこんなにも素早く料理を提供できるかという、チェーン店レストラン、ガストの裏側だった。

 

 
 
 

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