ロシアが金本位制に向けて動いてる影響が世界経済に出始めている – (金本位制はまだ実現してません)

 

ロシアが金本位制になったとの話題が上がってますが、実際のところはまだ実現していません。

ですが、金本位制へと向かっている影響は現れ始めているようです。

 

先日この記事を上げたので、気になる人は読んでみてください。

 

 

 

 

その2週間後、ロシアの中央銀行から、「1グラムの金を5000ルブールで買い取る」という発表がありました。

 

 

 

このニュースを見て、「金本位制だ!」となった人も多いのですが、残念ながら、これでもまだ金本位制ではありません。

 

熊おうさんがこの情報を共有してくれていたので、補足でコメントさせてもらいました。

 

 

 

 

 

ここまでは、「金本位制だー」 > 「勘違いだった。。」という流れなのですが、この先の流れが絶妙なことになりそうです。

 

このことに関しての専門家の意見がかなり面白いので、ここで紹介させてもらいます。

 

こちらの記事なのですが、RT(ロシア・トゥデイ)というロシアの国営メディアに、貴金属分析家が寄稿しているという、結構ガチなやつです。

 

ちなみにこのRTは支配層に都合の悪い情報を流すので、FacebookやYoutubeでアカウント停止させられています。

 

 

https://www.rt.com/business/553099-gold-backed-ruble-gamechanger-west/

 

 

翻訳記事が分かりにくかったら、飛ばして一番下の解説を読んでください。

 

DeepLで翻訳して、人力修正しました。

 

(ここから引用)

 

金に裏打ちされたルーブルはゲームチェンジャーとなりうる

 


金やエネルギーと通貨をリンクさせることは、世界経済にとってパラダイムシフトであると貴金属アナリストがRTで語っています。

 

ロシア銀行は今週、金の購入を再開したが、さらに重要なのは、規制当局が3月28日から6月30日の間、1グラムあたり5000ルーブル(59ドル)の固定価格でそれを行うことで、ロシアが1世紀以上ぶりに金本位制に戻る可能性が出てきたことである。

今週提案されたように、ルーブルで価格設定された商品を販売する(訳注:石油やガスをルーブルでのみ販売するという話)という次のステップに進んだ場合、これらの動きが重なると、ルーブル、米ドル、そして世界経済に大きな影響を与える可能性がある。

その答えを得るために、RTはブリオンスター・シンガポールの貴金属アナリストであるローナン・マンリーに話を聞いた。

 

 

– なぜルーブルで金の固定価格を設定することが重要なのでしょうか?

 

ロシアの銀行から金を1グラムあたり5000ルーブルの固定価格で買い取ることを提案することによって、ロシア銀行はルーブルと金をリンクさせ、金が米ドルで取引されるため、米ドルから見たルーブルの下限価格を設定したのである。

この連動性は、ロシア中銀が固定価格を発表した3月25日(金)以降、実際に見られるようになった。当時、ルーブルは1ドルあたり100ルーブル前後で取引されていたが、その後、強含みに推移し、1ドルあたり80ルーブル台に近づいている。なぜか?国際市場で金が1グラム62ドル程度で取引されており、これは(5000÷62)=約80.5ルーブルに相当するため、市場や裁定取引業者が注目し、ルーブル/米ドルの為替レートを上昇させたからである。

つまり、ルーブルは今、金という意味で、米ドルに対して底を張っているのです。しかし、金にもいわば底がある。1グラム5000ルーブルは金1トロイオンス15万5500ルーブルで、ルーブル/米ドルの底が約80ルーブル/1米ドルとすると、金価格は1940ドル程度となる。そして、LBMA/COMEXの欧米ペーパー金市場が米ドル金価格を下げようとするならば、ルーブル安も狙わないとペーパー工作が露呈することになるのです。

さらに、金とルーブルの連動により、ルーブル高が続けば(例えば、ルーブルでのエネルギー支払い義務による需要で)、それは金価格の上昇に反映されることになる。

 

 

– 石油はどうなる?

 

ロシアは世界最大の天然ガス輸出国であり、世界第3位の石油輸出国である。今、プーチンは海外の買い手(ロシアのガスの輸入者)に対して、この天然ガスの代金をルーブルで支払うよう要求していることがわかります。これは即座に天然ガスの価格をルーブルに、そして(金と固定的にリンクしているため)金価格にリンクさせるものである。つまり、ロシアの天然ガスは、ルーブルを介して金と連動しているのである。

同じことが、ロシアの石油でもできるようになった。もしロシアが石油輸出の支払いをルーブルで要求し始めたら、(固定価格ルーブルと金の関係から)直ちに金との間接的なペッグ(連動)が成立する。そうすれば、ロシアは石油の輸出代金の支払いに金を直接受け入れるようになるかもしれない。実際、これは石油や天然ガスだけでなく、あらゆる商品に適用できる。

 

 

– そうなると金価格はどうなるのだろうか。

 

ルーブルを金にリンクさせ、さらにエネルギー決済をルーブルにリンクさせるという両輪を動かすことで、ロシア銀行とクレムリンは世界の通貨システムの変化を加速させながら、世界の貿易システムの全体の仕組みを根本的に変えようとしているのである。現物商品への支払いに現物の金を求める買い手のこの壁は、LBMAやCOMEXのペーパーゴールド市場を確実に魚雷で破壊し、吹き飛ばすことができるだろう。(訳注:金現物の需要が高まりすぎるとデータ上だけの金信用取引が成り立たなくなる)

ルーブルと金の固定ペッグは、ルーブル/米ドルのレートを底上げしているが、米ドルの金価格にも準底上げを与えている。しかし、それ以上に、金がエネルギー支払いにリンクしていることが主な出来事である。ルーブルの需要増は、ルーブル/米ドルのレートを上昇させ続け、ルーブルと金の連動性が固定されているため、金価格の上昇として現れるはずだが、ロシアが石油の支払いとして金を直接受け入れるようになれば、石油価格が金価格に直接連動することになり、金価格にとって新しいパラダイムシフトとなるであろう。

例えば、ロシアが石油1バレルあたり1グラムの金を受け入れると指定することから始めることができます。1グラムである必要はないが、例えば1バレルあたり1.2グラムというように、現在の原油の基準価格より割安な価格であることが必要で、その方が受け入れられやすい。そうすると、ロシアの石油輸出のために現物の金を買おうと買い手が殺到し、その結果、ロンドンやニューヨークのペーパーゴールド市場に大きな負担がかかることになります。

 

 

– ルーブルはどうなるのか?

 

ロシア中銀の固定価格によるルーブルと金の連動は、今やルーブル/米ドルのレートの下に底を置き、それによってルーブルを安定させ、強くしている。天然ガスの輸出代金をルーブルで支払うよう要求することは、(将来的には石油や他の商品も)再び安定化と支持に作用する。国際貿易システムの大半が商品代金の決済にルーブルを受け入れ始めれば、ロシア・ルーブルは世界の主要通貨となる可能性がある。同時に、ロシアが石油の支払いに金を直接受け入れるようになれば、ロシアの外貨準備への国際的な金の流入が増え、ロシア銀行のバランスシートも強化され、ルーブルも強含みとなるだろう。

ルーブルの正式な金本位制というのは時期尚早かもしれないが、金の裏付けがあるルーブルというのは、ロシア銀行が考えていることなのだろう。

 

 

– 他の通貨はどうなる?

 

世界の通貨情勢は急速に変化しており、世界中の中央銀行が注目しているのは明らかである。ロシアの外貨準備の大部分を凍結する一方、ロシアの金を制裁しようとする欧米の制裁は、海外に保有する外貨準備の財産権が尊重されない可能性があることを明らかにし、同様に、イングランド銀行やニューヨーク連銀などの保管場所にある海外の中央銀行の金が没収されないとは限らないことを明らかにしたのである。

したがって、他の非欧米諸国政府や中央銀行は、ロシアがルーブルを金とリンクさせ、商品輸出代金をルーブルにリンクさせることに強い関心を持つだろう。つまり、ロシアが石油の代金を金で受け取るようになれば、他の国もそれに追随する必要性を感じるかもしれないのだ。

米国を除く世界最大の石油・天然ガス生産国はどこかというと、イラン、中国、サウジアラビア、UAE、カタールである。もちろん、BRICS諸国やユーラシア大陸の国々も、この動きを注視している。米ドルの崩壊が近いとすれば、これらの国々はすべて自国通貨が新たな多国間通貨秩序の受益者になることを望んでいるはずである。

 

 

– このことは、米ドルにとって何を意味するのだろうか。

 

1971年以来、米ドルの世界的な基軸通貨としての地位は石油に支えられており、石油取引に米ドルを使用し続ける世界と、米ドルの競合を阻止する米国の能力の両方があったからこそ、ペトロダラーの時代が実現したのである。

しかし、今、我々が見ているものは、この50年にわたるシステムの終わりの始まりと、金と商品に裏付けられた新しい多国間通貨システムの誕生のように見えるのである。ロシアの外貨準備高が凍結されたことが引き金となった。中国や石油輸出国などの巨大な商品強国は、今こそより公平な新しい通貨制度に移行する時だと感じているのだろう。これは驚くことではなく、彼らは何年も前から議論してきたことである。

米ドルがどのような影響を受けるかはまだわかりませんが、米ドルはこの時期から弱くなり、以前より影響力が弱まるでしょう。

 

 

– どのような影響があるのでしょうか。

 

ロシア銀行がルーブルを金にリンクさせ、商品決済をルーブルにリンクさせるという動きは、西側メディアがまだよく把握していないパラダイムシフトである。ドミノ倒しのように、これらの出来事は様々な形で反響を呼ぶ可能性があります。現物の金に対する需要の増加。ペーパーゴールド市場の崩壊。金価格の再上昇。米ドル離れの進行。非欧米諸国間における米ドル以外の通貨での商品二国間取引の増加。

 

 

(引用ここまで)

 

 

この手の話はなかなかややこしいので、分かる範囲で解説します。

 

 

ロシア政府が1グラムの金を5000ルーブルで買い取るというのは、現時点の金の市場価格よりも安い価格なので実質的な影響は出ていません。

だけど、その価格に合わせて市場を先読みして稼ぐ勢力が動いていて、金価格を下げて、ルーブル価格を上げているようです。

 

金価格の下落とルーブル価格の上昇が合わさると、ロシア中央銀行が発表した「1グラムの金を5000ルーブルで買い取る」という事が大きな意味を持ってきます。

 

もし、この流れが加速した場合には金価格は5000ルーブル以下になるので、外国で金を買って、ロシア政府に金を売ることで利鞘を得る事ができるようになります。

そうすると、利鞘で稼ぐ人たちのおかげで、金価格とルーブルが連動するようになります。

 

 

それは、ルーブルの価値が金現物で保証されるというのではありません。

だけど、ルーブル価格の上昇に合わせて、金の価格が上昇する事で、実質的な連動が起こり始めるのです。

 

 

それは現時点では起こっていませんが、「ロシアの石油とガスの販売をルーブルのみで行う」との発表により、ルーブルの上昇が予想されています。

ルーブルが実際に上昇すれば、石油価格、ガス価格、金価格、ルーブル価格のそれぞれが連動し始めることになりそうです。

 

 

そうなると、米ドルの崩壊を引き起こし、世界経済、基軸通貨の変換という大イベントが起こりうるという事です。

 

 

ルーブル/米ドルのチャートを見ると面白い事が予測できます。

 

 

3月にルーブルが大暴落をしたのですが、底値にたどり着く際にヘッドアンドショルダーというチャートパターンを描きました。

このパターンがチャートの底で現れると、そのパターンの幅の二倍の値動きをすると言われているものです。

 

 

 

仮にこの通常のパターン通りにチャートが進むと、1週間もしないうちに金1グラム=5000ルーブルのラインに到達しそうです。

 


もちろん、相場は予想通りにいかないし、未来を完璧に予測するのは不可能です。

また、この流れを望まない勢力が、ルーブルの価値を下げようとすることも考えられます。

 


今後にどうなるかは全く分かりませんが、何か大きな事が起こりそうにも思えます。

 

 

 

一応、念を押しておきますが、まだ金本位制は実現していません。

 


ロシアで貴金属購入の税金が排除されたのは事実です。

ロシアの中央銀行が金1グラムを5000ルーブルの固定価格で購入すると発表したのも事実です。(2022年3月28日から6月30日の間のみ。)

中国とロシアが金本位制を目指しているのも事実です。

 


こちらは、2017年の記事からの抜粋です。

 

 

https://www.rt.com/business/412546-china-russia-gold-standard-dollar/

 

 

北京とモスクワは、アメリカがドルを使って世界を支配していたことを理解しているので、新しい種類の『金本位制2.0』を導入することで、この支配から距離を置きたいと考えているのです。

 

 

現時点ではロシアによる金本位制は実現していませんが、実質的な金本位制へと近づいていっているのは事実のようです。

ルーブル価格と金価格が鍵になりそうなので、注目しておいてください。

 

 

 

以上です。

長々とお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

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