今回のツイッターファイルは、第6弾に対する補足です。
扱っている内容は、国家的プロパガンダ組織とのやりとりです。
・ツイッター社が、諜報機関共同体との会合にて、国家的プロバガンダ組織が怠けていると仄めかしたことで、諜報機関共同体の怒りを買った
・諜報機関共同体はヨエル・ロスを強気で押していた
・ヨエル・ロスは、公式の国家的プロパガンダがツイッターに存在することを認めていた
・ヨエル・ロスは国家機関から詰問されることに困惑していた
・FBIはツイッターファイル6に対して言い訳をしている
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はじめに
(翻訳ここから)
スレッド: ツイッターファイル補足
2020年7月、サンフランシスコのFBI捜査官エルヴィス・チャンは、ツイッターの幹部ヨエル・ロスに、サイバー脅威に対処する省庁間グループ「FITF(Foreign Influence Task Force)(海外影響力対策本部)」からの質問書が来ることを予期するように伝えました。
こんにちは、ヨエルさん。
FITF(海外影響力対策本部)は8月10日の会合に先立ち、回答が必要だと考えています。
書面での回答でもいいですし、電話でも構いません。
ご都合の良い方法で結構です。
質問の内容から、御社から説明を受けるために、米諜報機関共同体内でかなりの議論があったことがわかると思います。
どのように進めたいかを教えてください。
ありがとうございました。
エルビス
プロバガンダチームの怒り
質問書作成者は、7月20日の「DHS/ODNI/FBI/業界説明会」で、ツイッター社が「あなたのプラットフォームでは、公式プロパガンダ活動家からの最近の活動は、あまり観察されなかったと示した」とほのめかしたことに不満を持っているようでした。
(訳注:会合で、諜報機関のプロバガンダ活動家が怠けているとツイッターが報告したことに不満を抱いている。)
2020年6月10日の選挙セキュリティに関するワーキンググループの会合で、あなたは、あなたのプラットフォームで公式宣伝機関の最近の活動をあまり観察していないことを指摘しました。
私たちが国営メディアのオンライン状況をできるだけ理解するために、あなたの分析と結論についていくつかの質問に答えていただけると幸いです。
文脈上、私たちが知っている他の情報源(下記参照)は、国営メディア関係者がソーシャルメディアの多用なユーザーであることを示していますが、これは私たちが議論した時点で文書化したあなた自身の分析とは対照的であるように思われます。
私たちは、あなたの最近の結論について、他の情報を提供していただけると幸いです。
– どのような方法で、どのような指標で、公式の宣伝活動家がプラットフォーム上の他のグループより活動的でないと見ていますか?
どのような団体を公式宣伝機関と比較していますか?
– どのような公式宣伝機関を分析対象としましたか?
公式宣伝主体と外国の国家活動家をどのように区別していますか、またその区別をする根拠は何ですか?
例えば、RuptlyやIn the NOWのような、国家メディア機関の一部でありながら、異なるブランドを使ってそのつながりを曖昧にしようとする報道機関は、どのバケットに入るのでしょうか? それらは分析に含まれているのでしょうか?
– プラットフォーム上の活動量を判断するために、どのような定量的な指標を使用していますか?
どのようなスケールで、これらの指標を提供できますか?
– 活動量を判断する際に、各指標にどのような相対的な重みを与えていますか?
– プラットフォーム上のアクティビティの量など、アクティビティに関する判断に、どのような定性的指標を使用していますか?
– 国内、詐欺、外国国家、公式宣伝、白人至上主義者の行為者の分析範囲をどのように限定していますか?
(例: 日付範囲、言語、場所、トピックなど)
参考文献 オックスフォード大学オックスフォード・インターネット研究所「フランス語、ドイツ語、スペイン語圏のソーシャルメディアユーザーをターゲットにした国家が支援するアウトレットからのコロナニュース・情報」2020年6月29日付
外交政策研究所「2020年における米国の選挙保全に関するロシアの語り口」2020年5月25日
オックスフォード大学オックスフォード・インターネット研究所「中国、イラン、ロシア、トルコの政府メディアを理解する国家に支援された英語ニュースソースによるコロナウイルス報道」2020年4月8日
メルカトル中国研究所「グレートファイアウォールを超えたプロパガンダ」2019年12月5日
ウォールストリートジャーナル「ロシア国家ニュースアウトレット RT Thrives on youTube, Facebook, 」2017年10月24日
ツイッター言論統制班の困惑
あなたは、(プロバガンダ活動が上手くいっていないことは)良いニュースだと思うでしょう。
だけど機関はそうでないと感じているようです。
エルヴィス・チャンはこのことを強調しました。
「御社から説明を受けるために米諜報機関共同体内でかなりの議論があった 」と、彼は米諜報機関共同体を指して書きました。
タスクフォースは、ツイッターがどのように(プロバガンダ活動にたいして)低い評価という結論に至ったかを知ることを要求しました。
奇妙なことに、ツイッターが間違ったことをしたと示すかのように、ウォールストリートジャーナルの記事を含む、外国の脅威の普及を証明する公的な情報源の書誌を文末に含んでいたのです。
質問を受けたヨエル・ロスは、それを他の会社の役員に回覧し、「率直に言って、官省の局というよりも議会の委員会から受けるような要求に当惑している」と不満を漏らしたといいます。
機密事項
こんにちは、チーム。
私たちが受け取った質問を添付します。
正直言って困惑しています。
官省の局というよりも、議会の委員会からの要請のように思えます。
今月末のラベル発行で影響を受けるであろう国営メディアについては、大きな議論が必要です。
どうすればいいのか、皆さんのご意見をお聞かせください。
ありがとうございました。
ヨエル
彼は、「FBI(ひいては諜報機関共同体)が文書による回答を要求するのは心地よくありません」と付け加えました。
多くの機関が国内での活動を禁じられていることを考えると、FBIが諜報機関共同体のパイプ役を務めるという考えは興味深いものです。
公式の国家プロパガンダ・チームは実在する
その後、彼は社内に別のメモを送り、質問の前提に 「欠陥」があると述べました。
「我々は、公式の国家プロパガンダがツイッター上で確実に存在することを明確にしている」からです。
強調のためのイタリックに注意。
機密保持事項
もう一つのフォローアップ:
ドキュメントを読み直すと、前提全体に欠陥があるように思われます。
2020年6月のブリーフィングで、私たちは 「あなたのプラットフォームで公式プロパガンダの活動家からの最近の活動をあまり観察していない」と示したわけではありません。
そのブリーフィングのメモを再確認したところ、公式プロパガンダの発信者が大きな要因であると呼びかける具体的な項目があるのです。
エルヴィスとの複数のフォローアップで、公式の国家的プロパガンダがツイッターに存在することは間違いありませんが、秘密の偽アカウントとは扱い方が違うことをはっきりさせました。
私の提案は、早急にエルヴィスと電話で話し合い、この問題を解決することです。
誤解を招いた発言について諜報機関共同体のどこかで渦巻いているのではと懸念しているのですが……
今日エルヴィスに連絡を取って、彼らが送った文書にもっと正式に関わる前に、それをやってみてもいいでしょうか?
ヨエル
ヨエル・ロスは「至急エルヴィス・チャンと電話をして、この問題を解決しよう」と提案し、国家的なプロバガンダがツイッターで「行われていない」という概念を諜報機関に植え付けようとしました。
このやりとりは、FITF(海外影響力対策本部)が引用した「書誌」資料の一部が情報当局の出典であり、その情報当局が今度は公的な出典を引用していることなどから、とりわけ奇妙なものとなっています。
FBIのツイッターファイルに対する言い訳
FBIは金曜日(2022年12月16日)の報告書(ツイッターファイル Part 6)に対して、「定期的に民間団体と関わり、特定された外国の悪意ある影響行為者の破壊活動、未申告、秘密活動、犯罪活動に特化した情報を提供している」と回答しています。
ジョン・ニコシア @NewsPolitics
FBIから@mtaibbi(ツイッターファイル6の著者)への返信
「FBIは定期的に民間団体と関わり、特定された外国の悪意ある影響行為者の破壊活動、未申告、諜報活動、犯罪活動に特化した情報を提供しています。
民間事業者は独自に判断しています。」
午後6時30分 – 2022年12月16日
それはそうかもしれませんが、今までの資料にはそれが見られません。
その代わり、一般的なアメリカ人、そしてビリー・ボールドウィンが所有するフォロワーの少ないアカウントに関わる規制の要請がほとんどです。
次のツイッターファイルは@BariWeissと@ShellenbergerMDが報告してくれます。
(翻訳ここまで)
今回の記事は、国家の公式なプロバガンダチームがツイッター内で暗躍していたというものです。
しかも彼らは、怠慢を指摘されて、ツイッターに詰め寄っていました。
国家によるプロバガンダを怒れば良いのか、プロバガンダ・チームの怠慢を喜べば良いのか、怠慢による税金の無駄遣いを追求すべきなのか、ツイッターに詰め寄る性格の悪さを笑えば良いのか、プロバガンダチームに対抗するツイッターの言論統制チームを褒めれば良いのか。。。
非常に複雑で、なんとも言い難いものですが、国家による公式のプロバガンダチームが存在していて、国民の税金を貪り、国民と誤誘導しようとしていたことは事実のようです。
はたして、これは米国だけの話なのでしょうか?
日本にも、国家による公式なプロバガンダ・チームは存在しているのでしょうか?
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よろしければ、こちらの記事もどうぞ。
ツイッターファイルの続編はこちらです。