石垣島でキャンプする話8(放浪記518)

 

 

 

ものすごいタイミングで見ることができた初日の出に僕たちは意気揚々としていた。

この感じだと、これから始まる2002年は素晴らしい年になるに違いない。

 

 

一見すると難しいような状況でも、肝心のところで解決して全てがうまくいく、、、そんな妄想を掻き立てられるような日の出だった。

 

 

初日の出を拝んだ登山客達は下山し、また僕たち二人だけになった。

せっかく山頂まで昇ってきたのだから、ゆっくりしたいという思いだ。

 

 
 
完全版へつづく。。。
 
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(内容転載禁止 法的対処有)

 

 

 

 

 

ここでHくんが一言。

「梵したいな。」

 

 

梵とはヒンドゥー語での大麻を吸う儀式のことを指しており、梵したいなとは、大麻が吸いたいなという意味だ。

 

 

僕もインドを旅して、しょっちゅう大麻を吸っていた身としては、その思いは非常によくわかる。

最高の日の出を迎えたこんな最高のタイミングでこそ、梵をして宇宙に感謝したいというものだ。

 

 

僕はH君に深く同意したが、それと同時にそんな奇跡など起こり得ないことを重々理解している。

大麻には厳しい国である日本の最果ての島の山頂。

大麻どころか人に会うことすらない。

 

 

 

次の登山客

 

 

H君の「梵したいな。」の一言から10分後、誰かが山頂へと登ってきた。

 

 

上から見下ろすと三人の若者が見える。

一人はボブ・マーリーのようなドレッドロックという髪型の男性。

もう一人は派手でカラフルな服をきた女の子。

もう一人はにこやかで好感度の高い男性。

 

 

彼らは僕たちと同じヒッピー旅人の雰囲気を持っている。

僕たちはお互いに同類だと認識しあい、にこやかに挨拶し会話を始める。

 

 

聞くとドレッドロックのY君は、以前にインドを旅していて、2年ほど前から石垣島に住み始めたらしい。

他の二人はY君を訪ねて遊びに来ているという。

 

 

初日の出を目指して山頂に向かってきたが、色々と要領が悪くて見逃してしまったが、せっかく麓まできたので山頂まで登ってきたという次第だ。

 

 

 

次の奇跡

 

 

Y君のインドを旅したという言葉に反応したH君は、すかさず「梵ある?」の一言。

Y君は当たり前のように「うん、あるよ、吸おっか?」と。

 

 

僕とH君はその一言で狂喜乱舞して喜んだ。

 

 

まさかのまさかにH君の一言の希望が叶うなどとは思っていなかっただけに、この奇跡には驚かされた。

たった10分前に望んだことが、瞬間的に現実になって目の前へと現れる。

こんな嬉しいことはなかなかない。

 

 

僕たちは、シヴァ神に感謝し、宇宙の仕組みと奇跡に感謝し、2002年の初日の出を祝って梵をした。

 

 

僕たちの全員が、今年が最高の年になることを確信していた。

 

 

 
 
 
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