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サハラ砂漠のオアシスで共同生活する話14(放浪記402)

 

旅道具

 

DさんもEさんも相当に旅慣れているようだが、彼らが持って来ている装備は、旅人のそれではなかった。

 

Dさんは巨大で10キロくらいはありそうなジャンベ(アフリカ太鼓)を持ち、Eさんは同じく10キロくらいありそうな巨大なディジェリドゥー(オーストラリアの原住民の楽器)を持って来ていた。

さらにEさんは、5キロくらいはありそうなプロ用のビデオカメラを持参していた。

 

Dさんは持参した1キロほどある巨大な水晶を焚き火のそばに置き、おもむろにジャンベを叩き始める。

 

EさんはDさんと焚き火と水晶が映るようにカメラをセットして、自分もその中に入りディジェリドゥーを演奏し始めた。

 

 

ジャムセッション

 

Dさんは静かだが、しかしグルーヴィにリズムを刻み、それに合わせてEさんがディジェリドゥーを畝らせる。

二人に合わせて、僕たちがシェーカーや手拍子などで参加する。

あるものは踊り、あるものは歌い、聴き入り、焚き火を見つめ、ともに奏でる

 

結構な時間、皆で延々と演奏し続け、ある種のトランス状態に入っていった。

 

人里離れた荒野の砂漠のオアシスで、焚き火の周りに仲間たちが集い、ともに時を分かち合う。

 

気持ちのいい時が過ぎて行く。

 

 

満月

 

西側の空に陽が沈むと同時に、東の空には満月が昇り始めた。

 

満月というのは、常に地球を挟んで太陽の反対側にあり、日の入りと同時に月の出になり、月の入りと同時に日の出になる。

 

月の無い日は砂漠は完全な暗闇に覆われ、満点の星空が輝く。

だが今日は、陽が沈むと同時に満月が昇ってきたので、ある程度の明るさを維持したままだ。

 

僕たちの居た場所は標高が1000メートルほどのため、比較的空気が薄く、日の光も星あかりも月の光も通常よりも明るくなる。

 

通常よりも明るい満月の光と、煌々と燃える焚き火の光が反射して、楽器を演奏し歌い踊る僕たちを照らし出していた。

 

 
 
 
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