サハラ砂漠のオアシスで共同生活する話21(放浪記409)

 

共同生活での役割

 

皆で一緒に暮らすにあたって、それぞれがそれぞれの枠割を務める。

僕は重たい水瓶を毎日運んでいたし、人によっては料理したり、買い出しに行ったり、お金を出したり、地元の人との掛橋になったりなどだ。

 

だが、その中で自分の役割を見つけられず苦しんでいる人が一人いた。

イギリス人女性のRさんだ。

 

彼女の繊細さや正直さが仇となり、共同生活に摩擦を引き起こしていた。

 

彼女は料理には自信がないので料理をしない、体力に自信がないので買い出しに行かない、食後の皿洗いは女性蔑視的な感じがするのでしたくない。

その反面、不満に思うことや欲求は素直に伝えるものだから、小屋の中に住む人たちに面倒くさがられることも多かった。

 

彼女も摩擦を感じていたので、どこかへ旅立ちたいのだが、彼女のお金はすでに底をついており、移動するお金はない。

 

だからと言ってOちゃんのようにヒッチハイクで国まで帰るような度胸はなく、引くに引けない状況に陥っていた。

 

 

恋愛関係Rさん編

 

Rさんは美人で女性的な繊細さがあり、都会的なセンスにも恵まれていたので、状況さえ整えば本人の光を輝かして、十分にモテるだろうし、楽しく幸せに暮らせるだろう。

だが、ここサハラ砂漠での共同生活においては、彼女の個性は裏目に出ていた。

 

そんな弱った状態のRさんが、心の拠り所として見つけたのは、同年代のCさんだ。

 

Rさんは、OちゃんとAくんの恋愛事情を見て、羨ましくも思っていたし、夜中の騒音について腹立たしく思ってもいた。

そういった状況でのCさんだ。

 

Rさんは機会を見つけてはCさんに寄り添ったり、特別に優しくしたりして仲良くしていた。

Cさんも女性に優しくされて嫌な気分になるわけはない。

 

 
 
 
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