二人の関係
RさんとCさんの関係が発展しようとしていた。
だが、恋心が成長するよりも先に、Rさんの共同生活においての厄介さがCさんの頭をもたげていたようだ。
既に色々と煙たがられている上に、一文なしで行く宛のないRさんを受け入れることに抵抗があったのだろう。
数日の間は仲良くなりつつあった二人だが、徐々にCさんがRさんのことを煙たがるようになる。
窮地
全てがうまく行かず、藁にもすがる気持ちでCさんとの関係を望んでいたRさんだったが、Cさんから距離を置かれることで、窮地に陥っていた。
共同生活もうまく行かず、Cさんにも距離を置かれ、帰る場所もままならない。
帰る場所があったとしても、帰るお金はないし、ヒッチハイクする気概も無い。
追い詰められたRさんは、自己の闇の深みへとはまりこんでいく。
相談
小屋の皆がそれぞれにRさんの相談に乗り、何とかしようと試みるが、深みにハマったRさんにはどうしようも出来ない。
その反面、僕とIちゃんのカップルは楽しくやってるし、OちゃんとAくんも楽しくやっている。
Mくんは自由に輝いているし、Yくんも共同生活体験を楽しんでいる。
皆それぞれが調子良くやっている反面、Rさんだけが落ち込んでいく。
皆が優しく取りなすが、全く功を奏さない。
Rさんの抱え込んだストレスは、そのまま小屋のみんなのストレスへとなっていった。
どこにもいく場所がなく、放り出すわけにも行かない、だからと言って共同生活において役に立つわけでもなく、ただ飯を食らい不満を垂れるだけという、とてつもなく厄介な存在になっていった。
最も苦しんだのは、同国出身のガンドルフさんである。
数少ないネイティブ英語を話すガンドルフさんは、Rさんにとって格好の標的だった。
昼夜構わず不満を吐き出す。
Rさんをこの場に誘ったのは自分の責任だが、出て行けというわけにも行かない。
魔法使いのおじいさんにもどうにも出来ない悩みの種だった。