放浪記043

タイ旅行でカルチャーショックをうける話10(放浪記043)

チェンマイへ

 
 
 
タイの首都バンコクから夜行バスに乗り、北部の山岳地帯へ向かった。
 
チェンマイというタイで二番目に大きい街がこの地方の玄関口だ。
 
 
 
夜行バスは相変わらず冷房が効き過ぎていたが、タイのバスの冷え具合は既に経験済み、寒さに備えて準備をしていたので問題なかった。
 
 
 
チェンマイへ着くと、心なしかバンコクよりも少し涼しい。
 
日差しも湿気も少し穏やかに感じる。
 
海沿いの街と山の街の違いだろうか。
 
 
 
今日の宿はすでに目星をつけている。
 
ガイドブックで予め調べておいたのだ。
 
 
 
このガイドブックは日本人向けのものなので、ここに載っている宿には日本人が多く集まる。
 
英語の話せない僕は、日本人が集まるところの方が効率的に旅ができるし、楽しく安心できる。
 
 
 
街を歩いて思ったのが、チェンマイの街はバンコクと違ってもっと落ち着いていて、リラックスしているように感じる。
 
街の造りもスペースが広いので色々とゆとりがあるのだろう。
 
 
 
 
 
 

山岳ツアー

 
 
 
ガイドブックによると、このゲストハウスは山岳民族を象に乗って訪ねるという一泊二日のツアーをやっているらしい。
 
チェックインしながら、ゲストハウスの人にツアーの詳細を尋ねると、色々と写真を見せてくれた。
 
 
 
象に乗った旅行者の写真や、山岳民族の笑顔の写真、山の頂上からの景色など、旅心を刺激するような写真。
 
未知の世界が興味をそそる。
 
ツアー参加者のレビューを纏めたノートなどもあり、感想を読んでみるとかなり良い感じっぽいので、参加する事にした。
 
 
 
翌朝、夜明け前にゲストハウスの玄関で集合。
 
街の各地に散らばったツアー参加者をピックアップして山へと向かう。
 
 
 
今回の参加者は全部で7人。
 
日本人が5人と西洋人が二人。
 
たまたま日本人が多い回らしい。
 
 
 
どこの山へ向かったのかはよく分からない。
 
ただ案内されるままに連れて行かれただけ。
 
 
 
車は山の麓にたどり着き、ここから先は車で進むことはできない。
 
みんなで徒歩で登り始める。
 
 
 
この時の僕はコンバースのスニーカーを履いていて、このアスファルト向けの靴は底が平らで滑りやすく、山歩きには向いていなかった。
 
なんども足を滑らしながら山を上り下りする。
 
全行程を象に乗って行くわけではなく、まずは象のいる山岳民族の集落まで向かわないといけないらしい。
 
 
 
道中にツアー参加者の日本人たちと会話をする。
 
卒業旅行に来た3人組の女の子たちと、同じく卒業旅行に一人で来た男の子。
 
 
 
仲良く話をしようと思うのだが、どうにも堅苦しい。
 
パンガン島で出会った旅人たちとは雰囲気がだいぶんと違うようだ。
 
僕が日本の生活で出会っていた人たちと同じような感じ。
 
彼らもタイに来たばかりで緊張していたのかも知れない。
 
 
 
 
 
 

山岳民族

 
 
 
休憩を挟みながら5時間くらいは歩いたように思う。
 
ついに山岳民族の集落までやって来た。
 
 
 
村ではなくて集落。
 
木を組み立てて作った高床式の家屋が数棟ある。
 
 
 
パンガン島では、バンガローの物置小屋的なシンプルさに驚いていたが、こちらはそれを上回る。
 
 
 
小屋には屋根と床と壁がある。
 
以上。
 
 
 
家具もドアも窓もなく、出入りの隙間が空いている。
 
ヒトも動物も蚊も出入り自在。
 
気候的には寒さも問題にならないのだろう。
 
雨さえしのげればいいと言った造りだった。
 
 
 
ここが今晩の寝床になるようだ。
 
それでも、布団と蚊帳があるので、眠るのは問題なさそうだ。
 
 
 
小屋で荷物の整理をしている間に、食事の準備ができていた。
 
野菜と肉のカレーと米飯。油や塩やスパイスが控えめで食べやすい。
 
麓から歩いて5時間の山奥で、暖かい食事にありつけるのは本当にありがたい。
 
毎回街から運んできているのだろうか?
 
 
 
食事の後はみんなで集落の近くにある滝まで遊びに行った。
 
西洋人の二人は素っ裸になって滝にはいり気持ちよさそうにしている。
 
日本人の僕たちは裸になる勇気も、滝に入る気合いもなく、遠目から眺めていた。
 
 
 
今になって思うと、汗だくなんだからパンツ一丁になって汗だけでも流したらいいのにと思うが、何かが恥ずかしかったのだと思う。
 
 
 
 
 
 
つづく。。。
 

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