山男
Yくんは日本で暮らしていたときに、カナダ時代の親友と共同生活していた。
その時の同居人が登山道具関係の会社で働いていたことから、登山関係者と深い繋がりがある。
年末の忙しい時期には、バーゲンセールの手伝いをすることも多いらしく、その伝手を通して登山道具を安く手にいれることができるらしい。
僕は今回のキャンプは小学生以来のキャンプ、Iちゃんはほぼ初めてに近い。
だから、キャンプの知識は皆無に等しく、全てがぶっつけ本番だ。
道具といっても、テントと寝袋、鍋とナイフ、以上。といった感じで超基本的なもの以外は何も持っていないし、何を持てばいいのかも分からなかった。
そんな僕たちのナビゲーターになったのが、Yくんだ。
Yくんの知識
Yくんは、僕たちよりもいくつも年上で、人生経験が豊富なだけではなく、知識という部分に秀でていた。
元々頭がいい上に、大学では哲学を専攻するほどの思考人だ。
そこに、ライターと言う職業柄の知識人と言う要素も合わさるため、多くの知識を蓄えていた。
特にキャンプの知識や野外生活の知識は素晴らしく、多くのことを学ばせてもらった。
山道具
Yくんは伝手があったので、格安で山道具を仕入れることができるため、上質な道具をしっかりと備えていた。
そういった道具類は、登山をする人たちには常識的な山道具なのだが、知らない人にとっては驚くほど便利なものに見える。
そしてそれらの山道具は、旅道具としても優秀なものだった。
当時の僕はそんな知識など全くないから、とりあえず安く手に入るものを使っていた。
そうする以外にうまく旅をする方法を知らなかったからだ。
Yくんに学んだ知識は、後々の旅において大いに役立つことになる。