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サハラ砂漠の滝でキャンプする話1(放浪記422)

 

 

トラックを見送った後は、自分たちの旅をする番だ。

 

僕たちは、それぞれのバックパックと共同生活の残り物の食材を背負い、湖のそばにある滝へと歩き始めた。

 

30分ほど歩いた後に、滝のある場所へと辿り着いた。

 

滝といっても色々あるが、この滝は高さが3メートルほどの岩壁から小川が垂れ流れているといったような貧弱なものだ。

 

水量の多い滝にはそれなりの美しさがあり、水量の少ない滝にはそれなりの美しさがある。

この滝は砂漠のど真ん中に存在する滝なので、希少価値の高い美しさを持っていた。

 

流れ着く先には大きな湖があるが、滝の周囲は全てカラカラに乾燥している。

だから水が岩壁を滴ることで水分を幅広く拡散することは、周囲の動植物にとっては唯一の生命の源になっていた。

 

 

 

この水は僕たちが共同生活していた所の近くにあった小川から流れてきているものと同じもので、わずかな塩分と多くのミネラルを含んでいた。

 

とてつもなく美味しい水だが、それは周囲の生物たちにとっても同様で、この特殊な水に適応した生物が生息している。

 

砂漠のど真ん中にある塩分を含んだ水に生息する生物。

もしかしたら、まだ発見されていない新種の生物などもいてもおかしくない。

 

苔類、水草類、雑草、小さな水中生物などなど。

生態系はこの周囲30メートルの範囲で完結しているように見える。

 

ごくごく小さな宇宙がこの周囲で展開されていた。

 

 

キャンプ

 

僕たちはこの滝壺に当たる部分でキャンプをすることにした。

ちょうど良い広さで平な地面があり、テントを貼るにはちょうど良い。

 

Yくんが持っていたタープを貼ったことで、昼間も直射日光に苦しまずにキャンプができそうだ。

 

砂漠での生活の新たな局面が始まった。

 

 
 
 
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