日本へ向かう話2(放浪記437)

 

Iちゃん

 

モロッコを最後にして別れたIちゃんに再会する。

 

Iちゃんの実家は僕の実家からそう遠くはないので、気軽に会える。

 

僕としては、大きな別れの後に大きな流れの変化があってまた再会できることは、何となく運命づけられているような気がして気分が良かった。

だが、久しぶりに再会したIちゃんはそこまで嬉しがってはいなかった。

 

彼女としては、一旦完全に吹っ切って、自分の道に集中しようと思っていたところだったので、拍子抜けしたような感じだったようだ。

お互いに成長した上で、何年後かに運命的な再会をしたいと考えていたようだ。

 

 

予定

 

女優を目指す彼女は、一ヶ月後に劇団の公演が控えているので、毎日忙しく練習に励んでいる。

 

公演が無事に終わったら、山小屋に働きに行きたいと思っているけど、一緒に行かないか?と誘ってくれた。

僕としても、祖父の容態が良くなるか悪くなるか、どちらかにキリがついてからでないと動きがとれないと考えていたので、山小屋に仕事に行くのはいい案だった。

 

彼女の中の良い旅の友人が山小屋で働いたことがあるらしく、その話に感化されたIちゃんは是非とも山小屋体験をしたいと意気込んでいた。

だが、山小屋での仕事をどうやって探したら良いかもわからないので、とりあえずアルバイト求人誌の季節労働の欄を探してみた。

 

そこに一件だけ北アルプスの山小屋でのバイト募集があったので、良くわからないままに電話で連絡してみることにした。

どうやら相手方はアルバイトを必死に探していたみたいで、とんとん拍子に話が進み、履歴書を送って欲しいと言う話になった。

履歴書を送った数日後には電話があり、面接もなしにあっという間に採用が決まった。

 

最初の一ヶ月と最後の一ヶ月は同じ小屋で働くが、真ん中の三ヶ月半は別々の小屋で働くことになるらしい。

一緒に働ければよかったが、無理なものは仕方がない。

 

驚くほどのスピード採用だったが、とりあえず自然の中で暮らし、お金を稼ぐことができることに大満足だった。

 

 
 
 

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