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南へ向かう話1(放浪記250)

 

南へ向かう列車

 

デリーへ戻ってきた僕は、すぐにゴアへの列車を予約した。

距離にして1000キロ以上、時間にして36時間ほどかかる長距離列車だ。

 

インドの長距離列車には慣れているが、それでも36時間というとそれなりに気合いが必要になる。

僕にとっての挑戦は、36時間もの退屈と向き合う事だった。

 

 

会話のパターン

 

インド人は常に異常なほど友好的で、こちらから話しかければ、24時間とめどなく相手してくれるが、何ヶ月もインドに居た身としては、インド人との会話にあまり興味は持てなかった。

その理由は、100%に近いレベルで同じような内容の質問ぜめにされるからだ。

 

質問には順序とパターンがあって、最初は何処から来たのかに始まり、社会的属性をつぶさに質問される。

仕事は何か?、結婚しているのか?、兄弟姉妹は何人いるのか?、宗教は何か?

日本では直接質問しないようなことまで、初対面の第一声から聞いて来る。

 

最初の頃は、社交辞令なのか本当に興味があるのか分からなかったが、インドに慣れて来る内に、こういった属性を知る事が彼らにとっては重要なことなのだということを理解するようになった。

 

だからと言って同じような質問に答え続けられるほど忍耐強い性格でもないので、同じ質問をされるたびにうんざりしてしまう。

 

それでも、邪険に無視するわけにもいかないので、なんとかやりくりするのだが、こういう会話は、インド旅行の面倒臭いあるあるだ。

 

 

質問の続き

 

ちなみにこの質問には続きがあり、根気よく続けていると次の段階に向かう。

 

それは、持ち物に対する質問や金銭的な質問で、これは何処でいくらで買ったのか?という質問が延々と続く。

 

そして、その一連の質問が終わると次の段階に移る。

次の段階はくれくれの段階で、値段を聞いた一連のものを記念に欲しいといって来るのだ。

 

多くの場合は小型音楽プレーヤーや、スピーカーなどの機械類で、当時のインドではまず手に入れることのできない代物。

手に入ったとしても、日本で買う何倍もの値段がするし、インドの平均的な給料からすると到底手に入れることのできるものではない。

 

そういった状況もあり、思いを素直に表現することに長けたインド人は、それをくれと直接にいって来るのだ。

 

もちろんこのパターンは全てのインド人に当てはまるわけではないが、2等寝台車に乗る一般的なインド人家族のかなりの割合に当てはまった。

 
 
 

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