ホーム » 放浪記 » 歪みが顕著に現れてくる中学生時代の話4(放浪記010)
放浪記010

歪みが顕著に現れてくる中学生時代の話4(放浪記010)

姉の脱出

 
 
 
 
エホバの証人の若者たちの間で、ホームステイという形をとって外国へ宣教活動に行くことが流行っていた。
 
 
理由は、外国で暮らしてみたいという自分の夢を叶える事が出来つつ、エホバの証人としての活動にも沿っているからだ。
 
 
 
 
 
日本国内において一人暮らしをする事は、世俗の誘惑を受けるので推奨されていなかったが、エホバの証人の伝える真理を必要としている外国へ行って宣教活動する事は推奨されていた。
 
 
これは、エホバの証人の家庭に育った子供達にとっては、数少ない親からの逃げ道だった。
 
 
神の教えを世界に広めたいという、親や他のエホバの証人に見せる建前と、親の束縛から逃れて羽を伸ばしたい本音の両方があったと思う。
 
 
 
 
 
そう言った理由もあり、親から逃げ出したいエホバの証人の若者たちの間に、外国語を勉強することが流行った。
 
 
 
 
 
僕が、宗教家庭で育つことに不満を覚えていたように、不自由な生き方に苦しんでいた姉は外国へ行くことに突破口を見出したようだった。
 
 
姉が、いつからそういう計画を持っていたのかは知らないが、結構長い間スペイン語を勉強し続けていた。
 
 
 
 
 
僕が中学3年生になった頃、姉は知り合いのチリ人のエホバの証人がチリへ一時帰国することに合わせてついて行った。
 
 
 
 
 
こうして姉は、家庭の呪縛から一時的に脱出することに成功した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

お笑いに目覚める

 
 
 
 
姉が外国へ行ったことの僕にとっての影響は、部屋を一人で使えるようになったことだ。
 
 
 
 
 
生まれて初めての一人部屋。
 
 
 
 
 
同じ頃に我が家に、新しい大きめのテレビがやって来たので、今まで使っていた14インチの小さなテレビを僕の部屋にくれる事になった。
 
 
 
Blog10-1
 
 
 
独立した部屋を持った中学生男子の僕は、同級生の間で話題になっていた、土曜日の夜中にやっているエッチな深夜番組を見るようになった。
 
 
 
 
 
でも、僕にとって衝撃だったのは、そのエッチな番組ではなく、番組が終わった後、午前2時頃からスタートしていた、吉本の若手芸人が小さな劇場で収録している”2丁目ワチャチャTV”と言うお笑い番組だった。
 
 
 
 
 
デビューしたてで、この番組以外に全くテレビに出ていない千原兄弟や、陣内智則、サバンナ、世界のナベアツ、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、などの今テレビで活躍している芸人たちが、一堂に会して面白いことをすると言う番組だった。
 
 
彼らは若く、勢いがあり怖いもの知らず。
 
 
深夜、遅い時間の小さな地方局の番組なので、上層部からの規制なども少なかったのだろう。
 
 
エッジの効いた弾け具合が半端じゃなく、彼らの若い勢いのある感性が僕の中学生の感性を激しく刺激した。
 
 
 
 
 
関西で生まれ育った僕にとって、お笑いは生活の一部。
 
 
土曜日に、お昼ごはんを食べながら吉本新喜劇を見ると言う一般的な関西人の家庭だったが、それまではお笑いに対して特別に興味を持った事はなかった。
 
 
 
 
 
だが、この番組の笑いの鋭さは僕に突き刺さり、抑圧されまくっていた心に開放感を経験させてくれた。
 
 
 
 
 
この経験以降、お笑いと言う文化に興味を持つようになり、意識的に追いかけて行った。
 
 
 
 
 
中でも、深夜番組と深夜ラジオの自由な空気にハマっていき、今までに経験したことのない新鮮な世界を体験するようになる。
 
 
 
 
 
これは、僕が生まれて初めて経験する情熱だった。
 
 
それまでは親の言うがままに惰性で生きていたのが、自分から積極的に興味を持って追いかけるようになった。
 
 
 
 
 
この頃から、僕の個性が育ち始めたんだと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

勉強に目覚める

 
 
 
 
中学三年生の2学期になった頃、突然にこのまま勉強しないでいるとロクでもない事になると感じ始めた。
 
 
何がきっかけだったのかは覚えていないが、なぜか突然そう思ったのだ。
 
 
個性が育ち始めたことで、自分で考えられるようになったのかも知れない。
 
 
 
 
 
 
勉強してみようと思い立った僕は、本屋に行き、全教科をまんべんなく網羅した、分かりやすくて薄い参考書を一冊買った。
 
 
薄くて簡単な参考書だったが、それまで全く勉強していなかった僕にはちょうどよかった。
 
 
元から頭が良く、頭を使うことが好きだったので、パズルやなぞなぞを解くような感覚で勉強を楽しむようになって行った。
 
 
 
Blog10-2
 
 
 
何ヶ月か勉強した後に、テストの日がやってきた。
 
 
 
 
 
勉強した甲斐もあり、答えが浮かんでくる。
 
 
それまでは、答えがわからない事にストレスを感じ、毎回のテストの度に強烈な腹痛に襲われていたのだが、この時はじめて腹痛なしでテストを受けることができた。
 
 
 
 
 
2学期が終わる頃には、5科目合計で350点以上取れるようになっていた。
 
 
それまでは、毎回のテストの平均が200点くらいだったので、大幅な上昇だ。
 
 
 
 
 
この2学期の数ヶ月が、僕がまともに学校の勉強をした唯一の期間になった。
 
 
学校の勉強をすると言う経験を、したかったのだと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
つづく。。。
 
 
 

前の記事009 | 次の記事011

 

 

当サイトは皆様の共有のおかげで成り立っています。

シェアをよろしくお願いします!

 

ホーム » 放浪記 » 歪みが顕著に現れてくる中学生時代の話4(放浪記010)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。