石垣島でキャンプする話4(放浪記514)

洞窟のグル

H君はこの洞窟のグルの元で4ヶ月ほど修行をしたらしい。

その修行は中途半端なヨガクラスなんて話ではなくて、洞窟に住み込んで朝から晩まで休みなく修行すると言った類のものだったらしい。

その時にH君は呼吸法も習ったので、その成果を見せてくれた。

彼は激しい呼吸を数分行った後に、とことんまで呼吸を吐き出して、お腹と背中が引っ付くくらいのレベルにまで息を吐き出した。

そして、その状態を数分間維持したのである。

お腹を引っ込めるのもすごいが、息を吐き出した状態で数分間息を止めるのも、半端ない。

その修行は本物だったと否が応にも認めざるを得ない。

 

セックス修行

 

 

彼らは修行の一環として、修行者同士でセックスをするらしい。

だがそれらの行為は楽しいとかエロいとか言ったようなものではなく、修行をして特定の体位で、何時間もセックスをして、霊気を養うと言ったものだったそうだ。

 

 

それらの行為中には絶対に射精してはならず、もし射精しそうになったら、逆立ちをして呼吸を整えることで、射精の感覚を引っ込めていたらしい。

 

 

 

質問

 

 

この話をしている最中にH君はおもむろに尋ねてくる。

「セックスしたい?」

 

 

唐突な質問に困惑した僕は、「いや、うん、まぁ。」などと言う中途半端な答え。

 

 

それに対するH君の返答にはさらに驚かされた。

「俺は、もういいよ。飽きた。もうすでに一生分のセックスしたからね。」

 

 

この答えには本当に驚かされた。

当時の僕は22歳、H君は25歳。

精気真っ盛りの25歳の男が、この年齢ですでに性欲を超越している。

 

 

22歳の僕は、当たり前だがセックスにも興味があったが、H君の世俗の欲を超越した発言に一気に惹き寄せられた。

 

 

特に僕のこの自転車旅行は失恋旅行と言った意図もあったので、自分を振ったガールフレンドを恨んでウジウジしている自分との差が苦しくもあった。

 

 

 
 
 

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