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サハラ砂漠のオアシスで共同生活する話11(放浪記399)

 

個性

 

今回のモロッコ旅行では色々と強力な個性を持つ人たちと出会ったが、Cさんもなかなかのものである。

 

一般的に田舎人のイメージというと野生的であったり、粗野、素朴、優しい、人が良い、朴訥、人情が豊か、感情が豊かなどと言ったところだろうか。

Cさんはそういったイメージを”朴訥”の部分を除いて見事に体現していた。

彼はシンプルでタフに生きることに誇りを持ったフランス人の牧場人なのである。

 

そのシンプルさや粗野さは時として暴走することがあり、その動きは共同でなんらかの活動をしているときに顕著に現れる。

 

 

ジャムセッション

 

例えば、皆でジャムセッション(楽器を即興で合奏すること)をした時などは、彼一人が暴走してしまい、全くリズムから外れて一人で激しく太鼓を叩き続けたりする。

 

彼としては、演奏する本人が楽しむことが第一であり、皆がそれぞれに楽しめば、全ては自然とうまくいくという考え方である。

 

ある意味フリージャズ的な考え方で、あながち”間違えて”いるわけではないが、結果としては皆の演奏が彼の太鼓の音にかき消されてしまい、彼一人が取り残されるという結末になることも多々あった。

 

そういった時にガンドルフさんの年長的な個性がCさんを優しく諭し、リズムを合わせるということを学ぶのである。

だが、Cさんにはそういった行動はあまり向いていないようで、リズムを合わせて皆で演奏するということは、最後まで達成することはなかった。

 

もしかしたらCさんの個性は年齢的なものもあり、既に固まり切っていたのかもしれない。

 

 

Mくん

 

その反面、若いMくんの適応力は目を見張るものがあった。(若いといっても当時の僕よりも幾つも年上だが。)

 

この共同生活では、皆が色々な変化を経験したが、Mくんの変化が見ていて一番気持ちがよかった。

 

 

 
 
 
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