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北アルプスの山小屋で働く話14(自叙伝455)

 

飛行

 

僕たちの乗ったヘリコプターは、山の上空へと急上昇していき、またもやとんぼ返りのような操縦の元に山を離れていく。

 

今回のとんぼ返りは必要なかったようだが、どうやら新参者の僕を歓迎するために、おまけとして驚かせてくれたようだ。

 

90度傾けたアクロバティックな操縦をしているときには、扉があるはずの場所からは山の麓が見える。

 

ヘリには扉はなく、ベルトや捕まる取手がなければ、山の麓まで真っ逆さまである。

はっきり言って半端なく怖い。

 

 

景色

 

だが、アクロバティックな操縦は最初だけで、すぐに安定飛行に移り、北アルプス山脈の上空を滑らかに移行していく。

 

素晴らしすぎる景色が目の前に展開される。

ヘリが飛ぶ日というのは、視界が良好な日に限られているので、ヘリに乗るということは素晴らしい景色を拝めるということと同義だった。

 

3000メートル級の山並みが眼下に展開される。

目の前ではなくて目の下なのである。

 

もちろん山並みだけでなく、雲たちも眼下にある。

 

興奮に包まれたヘリ移動は、ものの10分ほどで終わり、着陸の時が来た。

 

徒歩では8時間かかる距離が、ヘリだと10分だ。

 

 

着陸

 

今回の着陸には、誰もヘリを誘導する人はいない。

だが、操縦士は慣れたもので、自力で荷物を下ろし、自力でゆっくりと着陸した。

 

僕たちは頭を低くしてヘリから飛び降り、安全なところへ避難して、ヘリの離陸を見送る。

 

小屋の支配人がヘリの操縦士に向けて、全てOKだと言った意味で、親指をたてて合図する。

その合図を確認した操縦士は、またもやとんぼ返りをして麓へと去っていった。

 

ヘリの操縦士もかっこいいし、支配人もかっこよかった。

 

僕は、今までに経験したことのない特別な体験に興奮し、今後数ヶ月に経験するであろう未知の体験に胸を踊らせた。

 

 
 
 

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