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北アルプスの山小屋で働く話20(自叙伝461)

 

包丁の研ぎ方

 

Jさんは本当に基礎の基礎から教えてくれた。

役に立つ知識なのでいくつか紹介したい。

 

まず最初に教えてくれたのは、包丁の研ぎ方だった。

僕は、包丁を研ぐなどという考えすらなかったので、非常に役に立つ知識だった。

 

まずは研ぎ石をしっかりと水で濡らし、砥石の下には濡れた布巾をおいて滑らないようにする。

その状態で、十円玉一枚程度の隙間を空けて、包丁を刃の側から背のがわへ砥石に擦り付けることで、綺麗に研げる。

 

包丁が十分に遂げているかどうかは、刃の部分を指で横向きに触ることでわかる。

ザラザラした感じがあるのだ。

 

 

持ち方

 

包丁が研げた後に教えてくれたのは包丁の持ち方だった。

持ち方を意識して包丁を持ったことなどなかったので、ここでも驚かされた。

 

色々な流派の持ち方があるらしいのだが、初心者向けとして紹介されたのが、人差し指を包丁の背に乗せて、残り4本の指で柄を握るという方法だ。

この方法だと包丁の方向性をしっかりと定めることができつつ、力も入れやすいのだという。

 

正しい持ち方を教わった後は、まな板との対峙の仕方だった。

 

プロとして長時間料理と向き合うためには、疲れてはいけない。

そのためには切るときの姿勢や、テーブルの高さまでを考慮する必要があった。

 

僕は背が高いので、平均的なテーブルは少し低く感じる。

そういう時には、股を開くことで体の重心が下がり、快適に作業できるようになる。

姿勢をまっすぐに伸ばし、無理なく力を入れることが出来る。

 

 

切り方

 

切り方にも技術があった。

 

僕にとっては切るということは、包丁を振り下ろすことだったが、プロにとっては包丁は滑らすものだった。

ただ上から下に下ろすのではなく、手前から遠くへ、あるいはその逆、あるいはその両方を使いこなす必要があった。

 

僕が学んだのは、初心者向けの手前から遠くへと滑らす切り方だった。

そうすることで、切り口は潰れることなくサッパリと切れており、繊維が新鮮なままなので、味がはっきりして歯応えも良いのだという。

 

 
 
 

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