大きな小屋
寮では数日の間、他の小屋の従業員たちと和気藹々と過ごし、体の疲れをほぐした。
その後は一ヶ月ほどの間、以前働いていた大きな小屋で働いて山小屋バイトが終了する。
僕にとっては、ガールフレンドのIちゃんとの再会が最重要事項だ。
僕が別々に行動している間に大きく成長したように、この期間に彼女も大きく成長しているに違いない。
期待と共に山を登った。
山小屋バイトの初日の登山はかなりしんどいものだったが、既に四ヶ月半も山で働いた後では、何の苦もなく山に登ることができた。
再会
大きな小屋に到着し、以前共に働いた同僚たちに挨拶して回る。
その中にIちゃんを見つけ、再会のハグをする。
だが、何となく繋がりきれない感覚を持った。
まあ、数ヶ月ぶりの再会だし、当然なのかもしれないと思い、その場を流すことにした。
その後、休憩時間に会いに行き話してみると、やはりどことなくよそよそしい。
愛し合うカップルという雰囲気は完全に消えていた。
距離
山小屋の忙しい状況では、休憩時間を見つけて時間を過ごすというのは簡単なことではない。
僕が大きな小屋で再び働き出して数日が経ったが、Iちゃんと共に過ごす時間を見つけることは難しかった。
仕事中にすれ違ってもよそよそしく、まともに目を合わせることもない。
一体彼女の中で何が起こっているのか聞こうにも、まともに会話することもできない。
近づこうとすると距離を置かれるようになっていった。
さらには、小さな小屋で働く前に仲良くしていた同年代の友人たちも、なぜか僕に対して距離を置くようになっていた。
Iちゃんはその友人たちと仲良く時間を過ごすが、僕は新しくやってきた転校生のような疎外感を感じていた。
それでも、その他の従業員たちは僕に優しく、楽しい仕事の日々を過ごすことができたが、Iちゃんとの関係だけは冷たいままだった。