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北アルプスの山小屋で働く話6(自叙伝447)

 

労働環境

 

日本社会の中で働くと、色々な法律の規制がある。

 

それは、労働者を守るための規制でもあり、労働者を閉じ込めるための規制でもある。

守るための法律としては労働基準法や、労働時間の規制、最低賃金などがある。

 

だが恐ろしいことに、山小屋の仕事においてはそれらの法律は適用されなかった。

 

山での仕事では、予期せぬ非常事態が起こりうる。

登山客が遭難している時に、労働時間の規制ゆえに捜索に行かないなどということは出来ない。

また、登山客がやってきたときに、満室だからと宿泊を断ることもできない。

 

山小屋の従業員はどんな場合にも備えて対処できるようにしておく必要がある。

 

そうした理由により、労働時間の規制が除外されて、1日あたり何時間働くという物ではなく、1日働くか休むかと言ったものになっていた。

 

働く日はただひたすら働く。

 

 

給料

 

時給性ではなく日給制になっていることは、従業員にとって最悪の効果をもたらしていた。

 

1日に何時間働いても給料は同じ。

山小屋という特殊な状況により、法律の規制は関係ない。

山小屋バイトは人気の職業なので、給料が安くても人が集まってくる。

 

そう言った事情が重なり、経営者次第では悪徳な搾取の温床になることがあった。

そして、この大きな山小屋はまさにそう言った事例の典型のひとつだった。

 

長野県の最低賃金に数百円を足した額が日給として支払われていた。

 

だが、僕にとっては安い給料はそこまで問題ではなかった。

なぜなら、部屋代と食費が無料で、お金を消費することのできない環境は貯金して外国を旅するには最適な環境だったからだ。

 

 

労働時間

 

僕にとって問題だったのは労働時間だった。

 

この小屋での1日あたりの拘束時間は平均して15時間にも上った。

そして15時間中13時間ほどが実質的な労働時間。

 

いくら労働基準法が適用されないからといって、あまりにも度を超えているように感じられた。

 

異常な労働時間は腹立たしかったが、一旦足を踏み入れてしまった以上は歩み抜くしかなかった。

 

 
 
 

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