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ゴアに目覚める話34(自叙伝151)

 

不思議な旅人

 

ゴアでは変わり者との出会いが多くあったが、中でもBさんはある種の聖者的側面を持っていた。

彼は、僕がゴアへ来る前に滞在していたプーナのアシュラムで、1ヶ月ほどヨガや瞑想をして暮らしていたらしい。

 

ある時、僕たちがレストランで食事を待つ間にトランプで遊んでいる時に、誰かが超能力テストの話を始めた。

トランプを使って透視能力を磨く方法があるのでやってみようと言う事になった。

 

エースを4枚とジョーカーを一枚用意して、裏向けて並べた状態で、どれがジョーカーかを当てると言うもの。

エースを一枚ずつ省いてもいいし、一発でジョーカーを当てても良い。

 

皆が順番に挑戦するが、当たったり外れたりと偶然の域を出なかった。

 

Bさんに順番が回って来たら、彼は目を瞑って集中する。

 

ゆっくりとこれは違うなと言いながらエースを省く。

当たっている。

 

またエースを省く。

それも当たっている。

 

順番にエースを外し一度めの挑戦でジョーカーの位置を当てた。

まあまあ、一度くらいは誰だって当たるでしょう。5分の1の確率。

 

二度目に挑戦したBさんはこの時も難なくジョーカーを当ててしまう。

まあまあ、二度連続もあり得る話でしょう。25分の1の確率。

 

だが、なんと三度目の挑戦でも当ててしまう。

ここまで来ると125分の1の確率、1%を切っている。

 

それぞれがお互いに顔を見合わせて、嬉しさと驚きと恐れが混じった表情をしている。

 

さらに四度目に挑戦すると、なんとそれも難なく当ててしまった。

この時点で625分の1の確率、0.16%の確率だ。

 

そしてなんと、さらに五度目の挑戦でも難なく当ててしまった。

3125分の1の確率だ。

通常にあり得るような確率ではない。

0.03%の確率。

 

ここまで来ると、好奇心よりも逆に恐怖の方が際立って来た。

みんなの顔が緊張で強張っている。

 

Bさんはあまり気にしていないようで、自分でもなんで当たるかよくわからないなどと言っている。

 

だが、僕たちはこれはあまり深入りしすぎるのは危ないんじゃないかと言った空気になっていた。

 

本物の超能力者ならば国家機関などが来て誘拐されるんじゃないか、なんて言う幼稚な妄想を繰り広げた。

 

僕たちはこのままテストを繰り返してBさんが本物の超能力者だと確認することを恐れて、テストをすることを辞めた


多分みんなBさんが本物なんじゃないかと薄々感じていたんだろう。

 

 

聖者Bさん

 

Bさんの穏やかで愛に満ちた眼差しは聖者のようだったが、彼が本当に愛に満ちた人だと言うのがわかる事件が起こる。

 

インドの旅は日本の常識からは大きくかけ離れていて、そのカルチャーショックゆえに精神がおかしくなる人も多い。

特にゴアはその自由さゆえに変わり者が世界中から集まって来ているので、人々に与えるカルチャーショックの度合いも大きい。

 

そう言った状況で一人の日本人女性の旅人が精神を病んでしまい、どうにかしなければ、という状態になってしまった。

皆がそれぞれ助けようとするが、いまいち上手くいかず、日本へ帰国して精神科医やカウンセラーなどに世話になるしかないと言う段階まで進んだ。

 

日本大使館に連絡するか、両親に迎えに来てもらうか、などと話しているときに名乗りを上げたのがBさん。

帰国日が近づいていた彼は、彼女を責任を持って両親まで届けると言う任務を買ってでたのだ。

 

僕たちはその愛ある行動に大いに驚いた。

 

目の前で困っている人がいれば助けるけれども、よく知らない人をわざわざ日本まで送りとどけようなどとはなかなか思えない。

普通なら日本大使館に連絡して終わりだろう。

 

Bさんはやっぱり只者じゃ無かったと言う僕たちの感覚は正しかったようだ。

 

 
 
 

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