モロッコで21世紀を迎える話17(放浪記360)

 

食事

 

しばらくすると食事の準備ができて、皆で食堂に集まる。

テーブルの上に並べられた料理から好きなものをとって食べるバイキング方式だ。

 

僕たちはここ最近はずっとモロッコの砂漠の現実の中に生活していたので、このヨーロッパ風の生活にびっくりしている。

 

砂漠の街の生活から西欧風豪邸での生活。

浦島太郎のような気分である。

 

 

スタッフ

 

ここにきている人たちの殆どは、チケット代と食費と部屋代と引き換えにしてボランティアで働くためにやってきた人たちだ。

 

中にはこういう感じで、フェスティバルからフェスティバルへと渡り歩いている人もいるらしい。

一つのフェスティバルが大体一ヶ月くらいかかるので、初期の頃にやってきて手伝いながら暮らす。

フェスティバルが始まる頃には色んな人と仲良くなっており、フェスティバルをしっかりと楽しめるという訳だ。

 

お金は稼げないけれど、お金を使うこともないし、堅苦しい職場で働かなくても生活ができて、楽しくて刺激的な友人たちに出会える。

なかなか悪くない旅の仕方なのかもしれない。

 

 

Rくん

 

基本的にはヨーロッパの白人が主なようだが、モロッコ人も一部混じっている。

 

食事の時に隣に座っていた、フランス人アーティストのJ君と話しているうちに気心が知れてきた。

ここにいる人のほとんどは、フェスティバルのためにやってきた人たちで、旅人というよりも音楽関係者といった感じなのだが、J君は旅人としてこの場にやってきていた。

 

モロッコを旅している途中で、このフェスティバルの関係者に出会い、フェスティバル開催を手伝い始めるようになったそうだ。

 

会話をしたといっても、僕は本当にカタコト以上に話せなかったので、Iちゃんが話しているのを聞いていたのだが、驚いたことに話している内容が聞き取れるようになっていた。

 

ロンドンで生活したことで、いつの間にか耳が英語に対応するようになっていて、未知だった言語を意味を持った日常の音として認識するようになっているようだ。

 
 
 
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