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ロンドンに住む話26(自叙伝330)

 

向き合い

 

このパーティーでは皆がそれぞれ向き合っていた。

 

Iちゃんは、自分の夢である女優業を一旦横に置いてロンドンに来ていた。

日々をしっかりと楽しく過ごしてはいるが、夢を横に置いたことで、自分が世界から置いていかれているような気分になり、悶々とした鬱屈を抱えていた。

それが、この楽しくありつつもなんらかの空虚さを抱えたこのパーティーを楽しむことで、内観の引き金が引かれたのかもしれない。

 

レゲエ好きでノーテンキなNちゃんは純粋に楽しんでいたが、Dくんも向き合っていた。

 

彼の向き合いはかなり本質を捉えていた。

それは、このパーティーは実は僕たちが目指していたDJ Tsuyoshiのオーガナイズするリターン・トゥ・ザ・ソースでは無いのではないか、と言うものだった。

 

 

間違い

 

僕たちの誰もが楽しんでいるのは間違いがないのだけれど、何か違和感があり、何かが違っていることは誰もが感じていた。

 

特にDくんはロンドンへ来る前から、このパーティーのことを視野に入れていたので、特に気にしていた。

 

音楽はいつまでたってもサイトランスには変わらないし、客層もなんだか違うっぽい。

楽しいことには間違い無いけれど、これ、本当にDJ Tsuyoshiのパーティーなの?

 

チケットを見ても、どこにもリターン・トゥ・ザ・ソースの名前は書いていない。

 

しっかりとオーガナイズされた歴史のあるビッグイベントのはずなのに、蛍光のペラペラの紙切れに、値段と場所が印刷された安っぽいチケットだ。

 

そもそも、入場料もかなり安かったように思う。

 

 

Dくんの葛藤

 

彼は真剣にこのパーティーは僕たちの目さしていたものではないと考え始めていた。

 

パスポートをなくして、ダッカで軟禁状態で過ごし、グランストンベリー・フェスティバルをミスミス逃した上に、それを補うためのイベントになるはずだった、リターン・トゥ・ザ・ソースまで逃してしまった。

 

楽しいんだけど、、、と言うやるせない気持ちに苛まれる。

 
 
完全版へつづく。。。
 

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