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モロッコを周遊する話3(放浪記431)

 

田舎

 

僕たちは、街を出て田舎へ向かう。

田舎といっても街から車で40分くらいの距離だが、たったの40分で雰囲気はガラリと変わる。

 

モロッコの街の都市生活から、地中海沿岸の乾燥した港町へ。

 

最初に着いたのが、近隣に住むモロッコ人ヒッピーカップルの家だった。

今度はFさんの家とは打って変わって、田舎的、自然的な雰囲気に満ちている。

 

50代の落ち着いたカップルが、庭から摘んできたミントを使ってお茶を淹れてくれる。

 

彼らは英語を話さないので、大したコミュニケーションは取れなかったが、なんとなく安心させる雰囲気に溢れていた。

ゆっくりとした時間を過ごしているのが、彼らの雰囲気から伝わってくる。

 

Fさんの暮らしとあまりにも対照的なのが印象に残った。

 

 

ガンドルフさん宅

 

僕たちは友人宅を出て、ガンドルフさんの住むところへと車で向かう。

 

Fさんは都会の暮らし、友人のモロッコ人ヒッピーカップルは田舎暮らし、自然派のガンドルフさんはそれのさらに上を行っていた。

 

彼はキャンプ場の一部を契約して借りて、そこにドームを建てて住んでいた。

 

それは、木の棒と鉄のジョイントを合わせて作り上げた円形状の枠組みに、厚手のコットン布を貼り付けて作り上げたものだ。

モロッコは雨が少ないので、それくらい簡素な作りでも問題ないのだろう。

 

 

ファミリー

 

このように自然と密着した環境で、ガンドルフさんとその家族は長年過ごしてきたらしい。

9歳と11歳の娘二人も聡明で可愛らしい。

 

だが、二ヶ月ほど前に離婚したところだけあって、あまり調和の取れた雰囲気とは言い難かった。

奥さんは僕たちのことを少し煙たがっているようにも見えるし、全体的に友好的な雰囲気ではなかった。

それでも僕たちは尊敬するガンドルフさんの生活ぶりをみることが出来て嬉しかった。

 

 
 
 

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