モロッコを周遊する話2(放浪記430)

 

Fさんとの再会

 

ガンドルフさんは田舎の方に住んでいるので、まずは街に住むFさんと再会してから、一緒にガンドルフさんに会いにいくことにした。

 

Fさんはオアシスにいた時から都会的な雰囲気を醸し出していたが、家に遊びに行ってみると、やはりその雰囲気は当たっていた。

久しぶりに体験する都会ぶりと、Fさんの都会へのなじみ具合に少し驚きを感じた。

 

 

都会の飲み物

 

彼は、髪を金髪に染めた若いガールフレンドと共に住んでおり、エスプレッソ・コーヒーと度数の強い甘いお酒とを混ぜて合わせて飲んでいた。

それは、ある意味非常にオシャレで、都市文化的な側面があった。

 

だが僕たちは、二人ともお酒もコーヒーも飲まないので、その2つを合わせて飲んでいるということに驚いた。

 

正直な感想は「身体に悪そう。。。」というものだ。

オアシスで自然と一体化した生活をした後だけに、結構な違和感を感じた。

 

 

排気ガス

 

Fさんの家で一休みした頃に、ガンドルフさんが迎えにきた。

タンジェの街を少しタクシーで回ってから、ガンドルフさんの住む田舎へと向かう。

 

ガンドルフさんは街を走る車を見ながら、大量の排気ガスを出しながら走っている車を見つけては、あれは地球に対する犯罪だと言って、怒りを表していた。

 

モロッコに限らず、第3世界と呼ばれるような国では、法律の規制はあってないようなもので、車は完全に壊れ切るまで酷使される。

1度や2度壊れたくらいでは壊れたうちには入らず、何十回と修理されて走り続ける。

その復活劇の後半になると、排気ガスの量もエンジンのうるささも叫び声をあげるのだ。

 

僕は、ガンドルフさんの怒りを通して、地球環境を意識するということに馴染んでいった。

 

最初の頃は、ガンドルフさんの地球意識について、いまいちよく分かっていなくて、”極端だなぁ”くらいに考えていた。

だが、時を追うごとに、ガンドルフさんの思想は僕の中に浸透して行っていた。

 

 
 
 

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