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ヒマラヤの秋の話1(自叙伝206)

 

マナリ再び

 

バスを乗り継いで戻ってきたマナリの街は雨に濡れていた。

 

快晴のレーから一週間も経たずに雨季のマナリへ戻ってきた事を少し後悔したが、それでも気分は晴れていた。

なんとなく、自分が今いるべき場所へ戻ってきたような気がしたのだ。

 

リクシャーに乗り、バシシトの村へ戻り、以前滞在していたゲストハウスへと戻る。

幸いにも部屋が空いていて、泊まることが出来た。

 

僕が滞在したのは上から二番目の階で、本当は最上階に滞在したかったが、人気の最上階は常に埋まったままだ。

これからまた、以前と同じような温泉と音楽の日々が始まる。

 

 

ルームメイト

 

翌日、最上階に滞在しているK君がルームメイトにならないかと言う話を持ってきた。

今まで最上階の部屋を彼と共有していた友人が他の土地へ旅立ったので、部屋のベッドが一つ空いていて、安く暮らすためにまた新たなルームメイトを探していると言う。

 

僕は、友人達と時間を過ごし音楽を聞いて楽しむことを最上の喜びとしていたし、最上階に滞在できるチャンスをずっと狙っていた。

僕にとっては願ったり叶ったりの提案だったので二つ返事で了承した。

 

最上階には5メートル四方ほどの広場があり、そこからはヒマラヤの山並みが見渡せる。

そんな最高の場所をルームシェアする事で一日あたり150円ほどで利用できるのだから、本当にありがたい。

 

 

屋上の暮らし

 

屋上の暮らしは、かなり調子が良かった。

 

屋上の広間は、適度なスペースがあり、運動するには最適だったので、ゴアでハマり始めたデビルスティックというジャグリングの一種を毎日練習するようになった。

 

インドを旅する旅人の利点は、時間に余裕がある事だ。

僕は、暇に任せてただひたすら音楽を聞きながら、デビルスティックをクルクルと回し続けた。

 

学生時代には自分は運動が全くできないという思い込みから、全く運動をしなかったので、体を動かす喜びを全く知らなかった。

だが、とびの仕事をしてムキムキになり、体が自由自在に動くようになったことで、運動をする楽しみを知った。

 

デビルスティックで遊ぶことで、自分の体の可能性を開いていくのが楽しくて仕方がなかった。

 

苦手だと思いこんでいた運動を楽しむことで、思い込みさえ外すことが出来れば、人間には不可能は無いと思えるようになり始めていた。

最初から運動ができていれば、この気づきは無かったので、運動ができなかったことですら贈り物のように思えた。

 
 
 
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