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放浪記017

宗教、高校、家庭、日本から脱出し、ペルーに向かう話1(放浪記017)

高校中退の現実化、マニフェステーション

 
 
 
高校2年の夏休み後半に見事、念願のエホバの証人からの脱退を成し遂げた。
 
 
 
ついについに長年、夢にまで思い続けていたエホバの証人からの自由を手に入れた。
 
 
 
これで、苦痛すぎて出かける前に神経性の下痢になっていた、エホバの証人の集会に行かなくて済む。
 
スーツを着てネクタイをして、家々をノックして真理を伝えることからも解放される。
 
 
 
僕は長年たまり続けていたストレスからの開放で、放心状態になっていた。
 
フワフワとした、虚ろな気分。
 
 
 
今までの枠組みが崩れ落ちた、新しい目線がやってくる。
 
 
 
夏休みの終わりが近づき、9月からは2学期が再開する。
 
 
 
宿題を全くやっていないけど、やる気なし。
 
 
 
9月になって始業式の日が来たが、一切学校に向かう気にならないので休んだ。
 
 
 
次の日も休む。
 
その次の日も。
 
 
 
流石に数日休み続けると、母が心配して学校に行けと言ってくる。
 
 
 
学校が始まって数日が経つと、だんだんとはっきりとしてきた。
 
 
 
自分は学校に行きたくない。
 
当たり前すぎる心の声。
 
 
 
僕にとって、この高校は全く必要の無いものだった。
 
 
 
高校を卒業したと言う、資格が役に立つような仕事はしたくなかった。
 
 
 
映画業界やお笑い業界に行きたいと思っていた。
 
高校を早めにやめて、感性を磨くことがプラスになるような世界に生きたかった。
 
 
 
僕が学校に行っていた理由は親や社会が押し付けてくる枠組みに、自分を合わせていただけ。
 
 
 
今回エホバの証人をやめたことで、親の押し付けに根拠がなくなり、社会からの押し付けだけが高校に行くべきと考える理由になっていた。
 
 
 
ストレスから解放されて、放心状態になっていた僕には、その社会からの押し付けも、もはや意味をなさなくなっていた。
 
 
 
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家族の誰もが、”とりあえず高校だけは行っておけ”と言う。
 
 
だが、誰の説得もただ単に社会常識を押し付けてくるだけで、僕に高校に行きたいと言う気持ちを湧き上がらせるようなものでは無かった。
 
 
 
僕には一切の迷いも恐れもなかった。
 
 
 
母に高校へ連絡してもらい、担任の先生と三者対談する。
 
僕の意思は固く、自分の想いを伝えるだけで対談は終了。
 
担任の先生も、僕の気持ちを揺るがすような話はできなかった。
 
 
 
これで、晴れて行きたくなかった学校からも脱出することになった。
 
 
 
高校を止めるなどとは、2週間前には考えてもいなかったが、考えが浮かんでから決定し、実行するまで一瞬だった。
 
 
疑う余地のない当たり前の事実。
 
 
 
僕は学校には行きたくなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

持て余す時間と居心地の悪さ

 
 
 
エホバの証人を辞め、高校も辞めたが、母はかねてから脅し続けていた家を追い出すと言う言葉を実行に移すことはなかった。
 
 
 
母はやはり母親だったのだ。
 
 
 
口では蹴り出すと言っていても、実際に子供を蹴り出すようなことができる母親はそうはいない。
 
 
 
僕は家を追い出されて、ホームレスになる覚悟をしていたので、平和的な結末は予想外だった。
 
 
 
ホームレスとして犯罪者として暮らして行く予定が突然消えたので、家に居たとしてもやることがなかった。
 
 
 
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それまでは、学校や宿題やエホバの証人の活動で、自分の時間は殆どなかったので突如、高校と宗教を辞めて大量の時間を手に入れても、その時間をどうやって使ったらいいかわからなかった。
 
 
 
近所のスーパーで、品出しのアルバイトを続けていたので、一応社会との接点はあった。
 
 
 
バイトに行って、そのあとに本屋に寄って立ち読みする。
 
無為に過ごす日々だったが、人生の劇的な変化を受け入れるために必要な時間だったと思う。
 
 
 
だが、母の目から見ると、最も大事なエホバの証人の活動をやめて、バイトと立ち読みで時間を潰すことに相当腹が立っていたらしい。
 
 
 
この頃には、母と会話することは殆どなくなっていた。
 
お互いに不満や怒りや不安などを持っており、会話しないことで平和を保っていた。
 
 
 
 
 
 
つづく。。。
 

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