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ロンドンに住む話29(自叙伝333)

 

狭い部屋

 

僕はIちゃんと二人で8畳ほどの部屋をシェアしていた。

キッチンやバスルームは大家さん家族と共有である。

 

その8畳の部屋にDくんが居候していた。

一人当たり2.5畳ほどの生活スペースで、かなり密着した生活様式だった。

 

僕たちはインドを旅してゴアでヒッピー的な遊びをして暮らしていた仲なので、近い位置で暮らす事にはある程度慣れていたので狭いながらも楽しくやっていた。

 

 

Tくん到来

 

そこへTくんがやって来るのである。

ちなみにTくんは僕と同じく170センチ台の後半で、背が高い上に、僕とは違って肉づきが良かったので、結構な大柄な体型である。

 

この4人で8畳の部屋を共有する事になる。

一人当たり2畳をシェアする計算だ。

はっきり言ってかなり狭い。

 

だが僕たちはこの環境を心の距離を近くして乗り越える事にした。

 

旅人たちの世界では、誰かの家に泊めてもらうのは当たり前のことで、旅人同士の間で遠慮する必要はない。

また、自分が家を借りている間に旅人が泊まりに来ると、断ってはいけないと言うような暗黙の了解がある。

 

助け合いの精神が、現実に根付いているのだ。

 

 

夕飯

 

僕とIちゃんはゴアにいた時はTくんとはほんの少ししか出会っていなかったので、ここではほぼ初めましてと言うような状態だったが、旅人の流れによりすぐに打ち解けた。

 

美味しい夕飯を大量に作って迎え入れる。

グラストンベリー・フェスティバルでの冒険譚や失敗談に花が咲く。

 

だが、Tくんは自分の最高に楽しかった話をDくんにするのは気が引けているようである。

Tくんが絶頂にいる間に、Dくんはどん底を這っていたのだから、当然といえば当然だ。

 

Dくんは”良いよ良いよ、気にする事ないよ”と言ってはいるが、半泣きで目に涙が浮かんでいるようにも見える。

 

Tくんの流れとDくんの流れは見事に対照的だった。

だが、ここでその流れが転換するような災難がTくんに襲いかかる。

 

 
 
 
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