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自転車で沖縄へ向かう話1(放浪記495)

 

自転車

 

大きな山小屋での同僚の一人に、アウトドアスポーツマニアの男の子がいた。

彼は色々なスポーツをこなすが、その趣味の一つは自転車旅行だった。


山小屋で働いてお金をためては、新しい自転車を買い足していた。

もちろん毎回アップグレードするのである。


その中での一番古い型は、もう乗ることがないから安く譲ってもいいよ、という話になっていた。


古いと言っても、数年前に15万円ほどしていた高級ロードバイクだが、3万円で譲ってくれるという話になった。

自転車旅行のとっかかりとしては申し分ない。


日本を旅して回りたい、自転車を使って安く移動したい、山小屋で鍛えた体を継続させたいといった思いがあった。

そして、Iちゃんとの関係でぐちゃぐちゃになった心を癒す失恋旅行をしたいという思いが重なり、さらにこの高級ロードバイクの提供が重なったことで、計画がスタートした。

 

 

 

姫路へ

 

 

僕は電車とバスを乗り継ぎ、友人の住む姫路へと向かった。


彼の家へ到着して驚いたのが、その家の立派さだった。


僕は貧しい家庭環境に育ち、自身の家も同級生たちの家も全てが一定レベルの貧しさの範囲にあった。

その後の旅も、インドやモロッコなどの第三世界と呼ばれる国々を回ったりしていたので、金持ち家庭に出会うことはなかった。


だが、その友人の父親は不動産屋を経営しており、豪邸を所有していた。


山小屋で一緒に働いている時には全く思いもよらなかったが、彼はスネ夫レベルの金持ちだったのである。


僕は、生まれ育った団地の部屋の50倍ほどの大きさのある豪邸に驚かされた。

そこらの山小屋よりも大きな邸宅だ。


あまりにも桁の違う金持ち具合に、僕は居心地の悪さを感じた。

全てが不自然で、変な違和感を感じたのだ。


だが、そのゆとり故に友人は僕に自転車を格安で譲ってくれることができる。

その安すぎる値段設定にも納得することができた。

 

 


つづく。。。

 

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