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日本へ帰国する話3(自叙伝159)

 

飛行機

 

僕がゴアからバンコクへ飛行機で飛ばずに、わざわざコルカタまで列車でやって来た理由は、できるだけ陸路で移動したかったというのが一つ。

もう一つはコルカターバンコク間のチケットが他のインドの都市から飛ぶよりも圧倒的に安かったからだ。

 

当時は今のような格安の航空券はなく、どの区間を利用するかによって価格に大きな差があった。

できるだけお金を節約したい貧乏バックパッカーは、陸路でコルカタまでやって来て、バンコクへ飛び、そこから日本へ帰るというのが一般的だった。

 

コルカタの空港からバンコクの空港へと飛ぶ。

 

インドを旅した半年の猛烈に濃かった日々が、瞼の裏にマザマザと浮かんでくる。
一体、何というトンデモナイ国なんだ。

 

僕はカルチャーショックにより生まれ変わるプロセスのど真ん中にいた。

たった数ヶ月の間に、僕の常識は足元から崩れ落ち、新たな自意識が生まれ始めていた。

 

 

バンコク

 

2年ぶりにやって来たバンコクは相変わらずの賑わいぶりだった。

 

バンコクでは、インドで出会った旅人同士の口コミで良い噂の流れているゲストハウスに滞在した。

ある程度、旅を続けている人は口コミ情報を元に移動を繰り返しており、ごく一部の街や宿に集中して集まってくる。

 

旅人の街、カオサンストリートにあるこの宿も、年季の入った旅人が立ち寄る憩いの場になっていた。

 

僕は、宿に滞在していた日本人グループとすぐに仲良くなり、屋台へと食事に出かける。

 

屋台のショーケースにはいくつかの種類のタイカレーが並んでおり、その中から一番美味しそうに見えたチキンカレーを頼んだ。

インドでは菜食が主だったので、日本へ帰国する前にスタミナをつけておこうという考えだ。

 

タイの屋台のカレーはインドからやって来た僕にとっても、十分すぎるほど辛かったが、何とか美味しく平らげた。

 

 

腹痛

 

だが、どうやらこのチキンカレーは失敗だったらしい。

失敗を通り越して、大失敗、あるいは大災難だったと言っても良い。

 

次の日の朝、強烈な腹痛で飛び起きる。

 

コルカタでのあれこれなどが思い浮かんだが、このヒリヒリする感じは昨日のチキンカレーで間違いないだろう。

今になって思い起こせば、屋台のショーケースは直射日光に当たっていたような気もする。

強烈な腹痛が数十分続いて、全てを出し切った後にやっとの事で落ち着いた。

 

この日は南の島へ向かう予定だったが、諦めることにした。

とてもじゃないがバスでの移動などできそうにない。

 

旅の疲れを癒すつもりで、宿で一日ゆっくりする。

お腹の痛みは無くなったが、下痢はずっと続いた。

 

次の日もお腹を下し、そしてまた次の日も。

 

三日連続の下痢になって、これは病院に行った方がいいのかな?

バンコクで病院に行くのってどうやればいいんだろう?

などと考えていたあたりで、これはもうさっさと旅を終わらせて日本へ帰れって事かなと思うに至った。

 

その日のうちに旅行代理店へ行き、2日後の関空行きのチケットをとった。

 

 

 
 
 

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