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モロッコで21世紀を迎える話37(放浪記380)

 

砂漠気候

 

昼間に砂漠の日差しの下で半裸で踊るが、日差しのない夜は一気に冷え込む。

それは砂漠特有の気候なのだが、実際に経験してみると驚くほどのものだ。

 

街中や森の中では、建物や湿気や木々が気温や空気を保存するので、昼夜の寒暖差はあまり大きくならないのだが、ここサハラのど真ん中では話が変わってくる。

 

温度の変化を遮るものは何もなく、昼は強力な直射日光のもとで、焦げるほどに暑くなるが、夜には標高1000メートルの高地の顔が現れてくる。

 

ここはオアシスなので、水がある程度は気温を保持しているのかもしれないが、それでも凍えるほどの寒さがやってくる。

 

昼間に受け取った熱気は真っ直ぐに空へと帰って行き、恐ろしいほどの気温の変化を経験することになる。

僕たちはそのあまりにもの変わり具合から、昼間を夏、夜を冬と呼んでいた。

 

 

重ね着

 

僕たちは、直射日光のもとで肌を焦げつかせながら散々に踊っていたが、夕日の時刻に合わせてテントへと戻ってきた。

暗くなってしまっては荷物がごちゃごちゃになってしまうので、明るいうちに状況を整えて、暖かい格好を準備するためだ。

 

夕日を見終わってからでは時すでに遅く、サハラの急激な気温の変化で凍えてしまう。

 

冬支度に備えて全ての服を出してきて順番に重ね着していく。

持っているものを全て着る以外に砂漠の夜を生き延びる方法はない。

 

夕日

 

僕たちは完璧に冬支度を済ませて、湖沿いに腰を落ち着けた。

沈みゆく夕日はオアシスの水面へと反射し、鋭い日差しを投げかけてくる。

 

だが眩しくは有っても、すでに昼間の太陽のような力強さはなく、季節の変化をリアルタイムで体験していく。

夕日が沈む前後の1時間で、初秋から晩秋までを経験することになる。

 

未知のレベルの気温の変化を、1時間の間に目の当たりにすることは面白い経験だった。

 

 
 
 
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