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モロッコで21世紀を迎える話36(放浪記379)

 

トラック

 

そんな彼女たちは、黒塗りの巨大な10トントラックを運転して、ヨーロッパ中とアフリカ中を旅して暮らしている。

 

トラックがそのまま家になっていると同時に、フェスティバルを開催する機能も備えている。

巨大な発電機もスピーカーもあるし、フェスティバル中にレストランを開くだけの設備も兼ね備えている。

 

夏の間にヨーロッパのフェスティバルで、食べ物を売ったり、大きなフェスティバルの後にアフターパーティーを開いたりしてお金を稼いでいるらしい。

 

トラックは小型トラックではなくて、大型の10トントラックである。

半端なくデカイ上に、全てが黒ずくめに塗られている。

その威圧感たるや半端なものではなく、道路の王者の貫禄を持っていた。

 

運転席は通常の車よりも高い位置にあり、ドレッドに大きな星の髪飾りをつけたジャニスジョプリンが、高みから見下ろすのである。

通常の国境警備員などは震え上がってしまうのではないだろうか?

 
 
完全版へつづく。。。
 
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(内容転載禁止 法的対処有)

 

 

パーティー

 

僕たちは、フェスティバル2日目に当たる今日にLSDをとる計画を立てていた。

 

毎日取っては耐性が出来て効かなくなるし、一度だけでは物足りない。

2日目に取って、3日目を休み、最後の4日目にトコトンぶっ飛ばす計画だ。

 

最高にありがたいことに、Dさんから手に入れた極上のスイス製のLSDがある。

これがあれば最高に楽しいことは間違いない。

 

 

ダンスフロア

 

スピーカーの前には多くの人々が踊っており、日差しの下で大きな笑顔が輝いている。

 

僕もダンスの輪に参加したのだが、ここで悪い癖が出てくる。

過去の経験と比較してしまうのだ。

 

初めてゴアに行ってトランスパーティーを楽しんだ一昨年の記憶から、まだ自由になれていなかった。

 

ロンドンのクラブのパーティーでは、そんなものだと割り切っているので楽しむことが出来たが、モロッコのサハラ砂漠での世紀超えパーティーとなると、期待値が大幅に上がってしまい、比較という脳味噌の罠が浮かび上がってくる。

 

僕は間違いなく楽しんでいたし、素晴らしいDJと客層だったが、1999年のゴアのパーティーと比べてしまっては見劣りしてしまうのである。

僕はまるで、昔の恋人が忘れられない煮え切らない男みたいな感じになってしまっていた。

 

 
 
 
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