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日本へ帰国する話16(自叙伝172)

 

旅立ち


ついに旅立ちの日が近づいて来た。

 

とび職の仕事は4ヶ月ほど続け、40万円の貯金をする事が出来た。

月々5万円を実家に入れながらの貯金だったが、見事に節約を続け、予定した通りの目標額を達成した。

 

とびの仕事はあらかじめ辞める事を伝えていたので、快く受け入れて貰えて、今後の旅を応援して貰えた。

 

 

裏話

 

とびの仕事を辞めてから数日経ち、最後の給料を受け取りに事務所に行った時に社長から直々に秘密の裏話を聞かされた。

 

それは後輩のRくんのことで、彼はなんと右翼組織の組長だと言うのだ。

組長の息子でも元組長でもなく、本当の本当に現組長だという。

 

お金の為に働きに来たのではなく、社会経験の為に働きに来ていたらしい。

だからこその礼儀正しさでもあったし、真面目に仕事をしていたのかとも思った。

 

社長も元ヤンで恐らくヤクザなどとも関係を持っているので、そう言う流れでRくんの事を頼まれたのかも知れない。

だからこそ社長は僕に直々に面倒を見ろと言ってきたのだと納得もする。

 

R君はその秘密は社長と舎弟以外には秘密にしていたが、社長へは「もし何か困った事があったら、いつでも連絡してください。電話一本で組員が全員集まってきて全部解決します。」と言っていたらしい。

 

社長は社長で屈強な人間で、いちゃもんをつけてくるようなバカは殆どいないし、仮に揉め事になっても自分で解決できるので、自分の社員に助けを求めるようなことは無いと考えていた。

 

 

事件

 

だが、事件は起こる。

事務所の駐車場の場所を巡ってヤクザと言い合いになってしまったのだ。

 

これはヤバイと判断した社長はすぐさまR君に電話する。

R君は「分かりました、なんとかします。」との返事。

 

その後10分くらいで、総勢約五十人の右翼の構成員が駐車場へ集合する。

あまりにも早い集合に社長も怖気付いた。

 

怖気付いたのはヤクザも一緒で、五十人の厳つい黒服の男たちに睨まれた末にどうしようもなくスゴスゴと退散した。

 

役目を終えた五十人はあっという間にに消え去り、あたりはまるで何も無かったかのように日常に戻った。

 

R君は一言、「何かあればいつでも呼んでください。」と言って颯爽と立ち去ったと言う。

 

この話は僕とR君が現場で働いている日々に起こった事件。

 

こんな事があった翌日にもR君は普通に仕事場で出勤し、僕に怒鳴られながら従順に仕事をこなしていた。

僕は何も知らずに先輩風を吹かせていたが、知らぬが仏とはこの事である。

 

 

 
 
 

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