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日本へ帰国する話4(自叙伝160)

 

日本行きのフライト

 

いよいよ日本に帰る時が来た。

バンコクの空港から関空へと飛ぶ。

 

日本食をお腹いっぱい食べるのが待ち遠しく、日本にいない間に進んでいる漫画本の最新巻を読むのが待ち遠しかった。

以前のバイト先の友人にあって、インドでの冒険を話したい、兄とまた一緒に音楽を創りたいなどの色々な思いがあった。

 

だがそれよりも先ず崩した体調を取り戻すのが先だ。

バンコクではあまりにもひどい下痢だったので、空港で検疫の自己申告をして検査してもらう事にした。

 

結果的には大したことなく、ただの食あたりらしい。

とりあえず一安心。

 

税関を抜けて、とうとう日本国内へ。

 

日本の大地へ踏み出した最初の一歩から、すでに今までとは違うという感覚があった。

もちろん日本が変わったのではなく、自分が変わったのだ。

自分自身の態度が今までよりも自信に満ちていて、一歩一歩が強くなったように感じる。

 

 

汚れ

 

関空から電車とバスを乗り継ぎ、母の住む実家へ帰る。

 

家にたどり着くと、母と祖父が無事帰国した事を祝ってくれる。

 

とりあえず荷をほどき、お風呂に入る。

7ヶ月半ぶりのお風呂は最高に気持ちが良い。

 

旅の垢は思ったよりも物凄く、身体を洗ってから湯船に浸かったのに、お湯が一気に汚れてしまった。

見たことのないような変な油脂が浮いている。

 

僕の服装はインドでは比較的普通の格好だったが、日本の基準に合わせるとかなりみすぼらしく見えるようだ。

 

インドでは洗濯物は、たらいに入れた水で手洗いするので、汚れを落とすには限界がある。

それでも乾きたての洗濯物は十分にきれいと感じるのだが、機械の力には敵わない。

 

インドでは気にならなかったシャツのホツレやシミが、日本の人々の服と比べると浮きだって見える。

母に洗濯物を洗ってもらったが、排出される水の黒さに驚いていた。

2度洗いする必要があったそうだ。

 

 

日本食

 

母は僕の好物のネギトロ丼を用意して待っていてくれた。

 

ゴアでも醤油味のなんちゃって日本食を楽しんでいたが、マグロやわさびなどは日本ならではだ。

ワサビ醤油の染みた日本米が喉を潤す。

 

日本についてから、しばらくはゆっくりと休んだ。

親戚に挨拶に行き、兄と遊び、以前のバイト先の友人に会いに行った。

 

久しぶりの日本は楽しく、インドにいた時に感じた日本に対するある種の恐怖や緊張感はただの杞憂だったように思われた。

 

あまりにも異次元の世界にどっぷりと浸かっていたので、もう日本の生活には戻る事は出来ないのではないかと恐れていたのだ。

 

だが、その恐れが具現化するのは、もうしばらく経ってからだった。

 

 

 
 
 

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