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モロッコで21世紀を迎える話13(自叙伝356)

 

ワルザザードの日々

 

僕たちは、基本的になんの意図もなく日々を楽しく過ごした。

全く違う文化圏の全く見知らぬ街に暮らすと言うだけで、何をせずとも最高に楽しい。

 

もちろん楽しいのは、この何もない砂漠の街が、意外にも結構いい街だったからだ。

人々は素朴で暖かく、僕たちのことを笑顔で迎えてくれる。

 

後で聞いた話では、イスラム教の教えとして、外国人には徹底的におもてなしをしろと言うものがあるらしい。

 

 

注目

 

しばらく滞在していると、街の人々が僕たちのことを認識するようになる。

 

この街は砂漠の入り口にあるので、砂漠へ向かう旅人と、街へ帰ってくる旅人の交差地点になっている。

だが、この入り口の部分に長期滞在する人など滅多にいない。

大体は1日か2日で街を出て行く。

 

僕たちのように何日も滞在する理由はない。

しかも、訳のわからんアジア人の若いカップル。

 

アジア人自体がまず来ないし、来ても金持ち観光客が数時間立ち寄るだけ。

若いアジア人のカップルなど見ることもない。

しかも、なぜか街に馴染んでいる。

 

そうしたわけで街の人々が僕たちに話しかけてくるようになった。

 

 

友達

 

だが、まともに言葉が通じないので、身振り手振りと感情表現だけで心を通わしていた。

オリーブ屋のおじさんと仲良くなり、八百屋のおじさんと仲良くなった。

 

中でも一番近い存在になったのは、土産物屋のお兄さんで、彼は英語を話すことができた。

彼も砂漠の街で退屈していたのだろう、僕たちとの出会いはいい刺激になったようだ。

 

遊びに行くと、ミントティーをご馳走してくれ、タジンの作り方や、クスクスの作り方を教えてくれた。

 

見知らぬ土地で言葉が通じると言うのは、心の壁を取り払ってくれる。

 

 
 
 
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