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モロッコで21世紀を迎える話21(放浪記364)

 

Y君との対比

 

Y君はほんの数日前までは東京にいたらしく、都会っぽさと清潔さと緊張感が漂っていた。

その反面、僕たちは完全に砂漠の街に馴染んでくつろいでいたので、その対比が面白くもあった。

 

僕たちにとっては、彼の都会っぽさは懐かしくもあったが、少し鼻につく部分もあった。

それは旅に出て砂漠に触れ合うことで落としたい過去の遺物でもあった。

 

だが、その反面に僕たちの砂漠へのなじみ具合は、Y君にとっては今までに見たことのないリアルな旅人の姿で、彼が取材したいものの象徴でもあった。

 

そんなところに魔法使いのおじいさんの格好をしたガンドルフさんがやってきて、僕たちと仲良くしているのを見たものだから、彼の僕たちへの好奇心は一気に加速した。

 

 

魔法使いのおじいさん

 

ガンドルフさんがやってきたのは、僕たちをフェスティバル創設のクルーに誘うためだった。

 

通常はフェスティバルで働く人は高いチケット代と引き換えにしてスタッフになるのだが、僕たちは既にチケットを持っているのでその必要はない。

 

なんの報酬もないけれど、気が向いた時に手伝いに来たらいいよとの事だった。

僕たちは砂漠の田舎町でブラブラしているだけだったので、そういったことも面白そうかと少しだけお試しで参加することにした。

 

この話に食いついたのがY君だった。

面白い体験を求める取材旅行者にとってはまたとない機会だ。

 

 

ボランティア

 

僕たちが手伝うことになったのは、ガンドルフさんが担当しているチルアウトエリアのデコレーションだ。

 

チルアウトエリアとは、フェスティバル中にダンスミュージックに疲れた人が、居心地の良い場所でまったりと暮らすためのものだ。

ここに何か良い感じの飾りを作って欲しいという。

 

ガンドルフさんいわく、”例えば日本庭園みたいな。。。”と、いかにも日本人制作の日本庭園がフェスティバルの一部に欲しそうな感じなので、僕たちは日本庭園を作ることにした。

 

ちなみに僕もIちゃんも中学の修学旅行以来、日本庭園には行っていないので何をどうしたら良いかも、なんの検討もつかなかった。

 

 
 
 
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