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モロッコで21世紀を迎える話23(放浪記366)

 

人との繋がり

 

フェスティバルの日が近づくにつれて、僕たちの滞在しているホテルも旅人たちで賑わい始めた。

 

もちろん、このようなイベントがこの砂漠の街で行われることなど初めてのことだし、モロッコ史上においても初の電子音楽フェスティバルになるようだった。

 

旅人たちは主にヨーロッパ各地からやって来ている。

 

徐々に知り合いが増えていき、ボランティアで知り合う人たちや同じホテルに滞在する旅人たち、地元の砂漠の村の住人たちなど色々な知り合いが増えていった。

 

 

開かれた関係

 

フェスティバル目的の旅人が集まるにつれて、大きなドミトリー部屋ではパーティーが開かれるようになっていった。

 

パーティーと言っても計画的なものではなく、楽器を持っている旅人が、ジャムセッションを初めて、その音を聞いた別の音楽家の旅人が、そこに参加して、さらにその音を聞いた旅人が、、、と言った自然発生的なものである。

 

もちろん、ここに集まって来ている旅人のほとんどが見知らぬもの同士である。

カップルや友人のグループなどもいるが、一人旅のものたちも多い。

 

全くの見知らぬもの同士が、自国の訛りの混じった英語同士で会話を楽しみ、音楽を楽しむ。

非常にオープンな雰囲気で、お互いに遠慮なく、見知らぬ旅人同士の仲間意識が僕たちを囲っている。

 

 

人見知り

 

この場にいて気づいたのだが、僕の英語を話すことに対する人見知りの態度が消えて無くなっていた。

 

今までは、英語を話す状況になると身構えてしまい、”自分は英語を話せないから”と言ってIちゃんの後ろに隠れていた。

 

だが、ロンドンでの生活経験のおかげで、英語に対する緊張が解けてゆき、英語版のムーミンの小説を読んだことで何となく英語に対する壁が解かれ始めていた。

 

そこに、これらの旅人同士のパーティーで皆が訛ったカタコト英語で話していることを見て、その英語環境に感覚がなじみ始めたのだ。

 

今までは、英語を話すことは恐怖の対象だったのだが、今は話すことのできなかった言葉を使ってコミュニケーションを取る喜びが勝っていた。

 

 
 
 
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