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北アルプスの山小屋で働く話36(自叙伝476)

 

テント泊

 

小屋から20分ほど歩いたところに温泉があった。

温泉の色は白く濁った水色で、奇妙な神秘さがあった。

あまり自然の中で見る色ではない。

 

僕は雰囲気のあるボロボロの山小屋に泊まる代わりに、温泉のそばでのテント泊を敢行した。

 

僕はテントを設営し、食事をとって温泉に入る準備を整えた。

温泉に入った後に食事をとっていては体が冷えてしまう。

 

 

温泉

 

温泉の周囲には誰もいない、山小屋にも人の気配はなかった。

 

混浴なので下着をつけて入浴するように注意書きがあったが、こんな山奥で他人に気遣う必要もないと判断して、素っ裸になって温泉に飛び込んだ。

 

8時間の登山によって疲れ切った足腰が緩められほぐされる。

汗まみれの体も、ツルツルの美人肌に生まれ変わっている。

 

温泉の温度は39度くらいだろうか、少しぬるめだが長時間入るにはちょうど良い。

 

温泉に入った時は夕暮れ時だったが、ゆっくりと浸かっているうちに日が暮れて星が瞬き始める。

最高に美しい景色の中を歩いて辿り着いた温泉。

満点の星空を眺めながら、大自然のど真ん中の温泉に浸かることは心底気持ちが良かった。

 

僕は究極の満足感とともに温泉を出て、すぐさまテントに入り、寝袋へと潜り込んだ。

 

登山では限られた荷物しか持つ事ができないので、最小限の小型テントと最小限のマットと寝袋なので、あまり快適な寝床とは言い難い。

それでも疲れ切ったからだと、温泉で熱った体を休めるには十分だった。

 

 

翌朝

 

次の日の朝も朝日とともに目を覚まし行動を開始した。

 

山小屋で散々働いた後の登山行で、体を休める要素などなかったが、山の生活で鍛えられた僕にとっては大した問題ではなかった。

 

次の日の目的地は、僕の働く小屋の下方にある池へと向かうことだ。

 

その池の水面は鏡のように静謐で、ある角度から見ることで、山頂が映し出されるらしい。

朝日に焼ける山頂が水面に映る姿はとてつもなく神々しいので、機会があったら絶対に行くべきだと山の先輩方に言われていた。

 

旅人としては、そんな噂の場所の話を聞いては足を向けざるを得ない。

 

僕は、疲れなど気にせずに颯爽と歩を進めた。

 

 
 
完全版へつづく。。。
 

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