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サハラ砂漠のオアシスで共同生活する話8(放浪記396)

 

生活のリズム

 

ひたすらシンプルな砂漠の生活のゆえに、自然と日々の生活のリズムができてくる。

 

まず、朝になり日が上り始めると、瞬く間に暑くなる。

特に直射日光を浴びたテントというのは、サウナ並みの暑さになる。

 

これを僕たちは夏が来たと呼んでいた。

夏が来ればテントから這い出して、着込んでいる服を全て脱ぎ捨てる。

 

僕の場合は12枚のTシャツを重ね着していたので、全てをまとめて脱ぐ。

ズボンも何枚も重ね着しているので、全てを取り払う。

 

 

水瓶

 

僕たちの原始的でシンプルな暮らしには、常になんらかの仕事が必要になる。

そのうちの重要な作業の一つが水汲みだ。

 

僕はこの作業の責任を持つことを買って出た。

毎朝水瓶を持って湧き水の場所へいき、小鍋で水を掬い、水瓶の中へ入れる。

 

ここで注目して欲しいのが、プラスティックボトルやカニスターなどではないという点だ。

僕が水を汲むのに使っているのは、土を練り上げて窯で焼き上げた本物の水瓶だ。

 

水瓶座の星座の絵に描かれるようなあの水瓶である。

 

 

エコロジー博士

 

なぜプラスティックのボトルではなくて、水瓶なのかというと、そこにはガンドルフさんの意思が強く介在している。

 

ガンドルフさんは既に20年以上もエコロジーという考え方に入れ込んでおり、人生の大半の期間を費やして地球の環境保護のために活動している。

今回のフェスティバルもその活動の一環だ。

 

ガンドルフさんにとっては、プラスティックというのは消費社会の象徴で、燃やしても土に埋めても海に流れても、何をしようとも環境を汚す諸悪の根源のようなものだ。

その彼の鶴の一声で僕たちはプラスティックを排除した暮らしを試みていた。

 

 
 
 
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