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サハラ砂漠のオアシスで共同生活する話9(放浪記397)

 

水瓶の重さ

 

水瓶で水汲みをしたことのある人はそうは居ないとは思うが、はっきり言ってかなり重い。

 

水瓶一つで10キロくらいあり、そこに15リットルくらいの水を入れて運ぶのである。

 

そして、不幸なことに両手で運ぶには不自然な形なので、片手づつに水瓶を持って運ぶことになる。

合わせて50キロのものを持って歩くのだから、重くて仕方がない。

それでも両手で一つを持つよりも運びやすかったりするのだから、逆に厄介なものでもある。

 

この水瓶に水を満たして、片道10分の距離を20分かけて帰ってくるのである。

行きの時間や水汲みの時間を合わせると約1時間の労働だ。

 

 

貴重な水

 

水道を捻って出てくる水とはその価値の重みが違う。

水瓶50キロ分の重みがある。

 

その50キロ分の貴重度と、砂漠の強烈な気温と乾燥度が水のありがたみを倍増させる。

 

そして、大地のミネラルをふんだんに含んだ水の旨みが、水瓶の蒸発作用によってキンキンに冷やされることによってその旨みがさらに何倍にも膨らまされる。

これほど水の旨みを体感できる状況はないというくらいに最高に美味しい水だ。

 

さらに適度に塩分を含んでいるので、汗をかいた体に見事に染み渡る。

適材適所という名の大自然の芸術だ。

 

 

日常の光景

 

僕が水を運び終わる頃には小屋の中で寝ていた人たちが起き出してくる。

 

土とレンガで作られた小屋は、日中は日差しを遮って、小屋の中を涼しく保つ。

そして昼間にレンガに溜め込んだ熱を夜中に放出することで、小屋の中を暖かく保つ。

 

小屋はしっかりと戸が閉まるので、熱気からも冷気からも守られていて心地がいい。

だから小屋の中で寝ている人たちは、自然と遅寝遅起きになっていく。

 

 
 
 
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