Fさんとの再会
ガンドルフさんは田舎の方に住んでいるので、まずは街に住むFさんと再会してから、一緒にガンドルフさんに会いにいくことにした。
Fさんはオアシスにいた時から都会的な雰囲気を醸し出していたが、家に遊びに行ってみると、やはりその雰囲気は当たっていた。
久しぶりに体験する都会ぶりと、Fさんの都会へのなじみ具合に少し驚きを感じた。
都会の飲み物
彼は、髪を金髪に染めた若いガールフレンドと共に住んでおり、エスプレッソ・コーヒーと度数の強い甘いお酒とを混ぜて合わせて飲んでいた。
それは、ある意味非常にオシャレで、都市文化的な側面があった。
だが僕たちは、二人ともお酒もコーヒーも飲まないので、その2つを合わせて飲んでいるということに驚いた。
正直な感想は「身体に悪そう。。。」というものだ。
オアシスで自然と一体化した生活をした後だけに、結構な違和感を感じた。
排気ガス
Fさんの家で一休みした頃に、ガンドルフさんが迎えにきた。
タンジェの街を少しタクシーで回ってから、ガンドルフさんの住む田舎へと向かう。
ガンドルフさんは街を走る車を見ながら、大量の排気ガスを出しながら走っている車を見つけては、あれは地球に対する犯罪だと言って、怒りを表していた。
モロッコに限らず、第3世界と呼ばれるような国では、法律の規制はあってないようなもので、車は完全に壊れ切るまで酷使される。
1度や2度壊れたくらいでは壊れたうちには入らず、何十回と修理されて走り続ける。
その復活劇の後半になると、排気ガスの量もエンジンのうるささも叫び声をあげるのだ。
僕は、ガンドルフさんの怒りを通して、地球環境を意識するということに馴染んでいった。
最初の頃は、ガンドルフさんの地球意識について、いまいちよく分かっていなくて、”極端だなぁ”くらいに考えていた。
だが、時を追うごとに、ガンドルフさんの思想は僕の中に浸透して行っていた。