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モロッコで21世紀を迎える話2(自叙伝345)

 

タンジェ

 

フェリーは夕暮れ時にモロッコの最北端の街タンジェへと到着した。

 

タンジェの街は海沿いの港町だが、それと同時にかなりの標高のある丘の町でもある。

その斜面に立ち並ぶ街並みに西日が当たっていて、なんとも美しい金色に輝いている。

 

僕たちはアフリカ大陸について早々に見る美しい街並みに、まるで到来を祝福されているかのような感動を覚えた。

 

 

安宿

 

あらかじめ情報を調べていたので、どういうところに安宿があるのかは分かっていた。

手っ取り早く安宿を見つけてその日の寝床を確保した。

 

モロッコではモロッコ語とアラビア語とフランス語が通用するのだが、僕たちはそのどれも話すことはできない。

ロンドンに半年滞在することで、多少は英語が上達したが、その努力はこの場で報われることはなかった。

 

だが、大したもので、インドで培った旅の経験はここモロッコでも見事に通用し、安宿を簡単に見つけるどころか、しつこく値切り交渉して、格安で宿泊することができた。

 

この値切り術には、インド旅行の経験だけではなく、Iちゃんの切羽詰まった金銭事情も後押ししていた。

必死の大阪人旅人をナメるな、といったところか。

 

 

タジン

 

とりあえずロンドンからの移動もひと段落し、この日の宿も見つかって一安心したので、アフリカ一発目の食事に向かうことにした。

 

港に面した大通りのレストラン街を歩く。

どこも似たような感じなので、適当なところに入り、タジンを注文した。

 

タジンとは最も代表的なモロッコ料理で、土鍋の中にオリーブオイルとスパイスと野菜と肉を入れて長時間煮込んだものだ。

これも、既に情報を仕入れており、モロッコについたらまずはタジンを食うべしと言われていた。

 

その土鍋には三角形のスナフキンハットのような形の蓋がついており、その蓋がなんらかの効果を出して美味しくなるようだ。

 

ウエイターに運ばれてきたタジンは、蓋もお皿も熱々らしく、ウエイターが仰々しく蓋をとってくれた。

 

吹き上がる湯気には、野菜と肉の蒸気と、オリーブオイルとスパイスの香りが含まれていて、その匂いを嗅いだ瞬間に、僕もIちゃんも大喜びで顔を見合わせた。

あまりにも美味しそうな匂いに、味見をせずとも美味しいことが確信できる。

 

たったこれだけで、モロッコに来て良かったと納得することができた。

 
 
 
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