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インドへ舞い戻る話5(自叙伝177)

 

夜行バス


デリーには一晩だけ滞在して、二日目の晩に夜行バスでヒマラヤ山脈にある、今回の目的地であるマナリと言う避暑地へ向かうことにした。

マナリの街から少し離れたところにあるバシシトと言う村には温泉があり、多くの旅人たちが長期滞在して暮らしているという。

 

ゴアの時の友人たちの数人が既に向かっていて、早く遊びに来いと手招きしてくれている。

温泉の素晴らしさや、地元の人の優しさや、山の美しさや、水と食事の美味しさなど、いい噂を散々聞いていたので、向かうのを楽しみにしていた。

 

夕方に長距離バスのバス停に行き、バスに乗り込む。

本当は列車で移動したかったのだが、マナリは山中の街なので列車は走っておらず、車でしか行くことはできない。

 

バスはお世辞にも乗り心地が良いとは言えず、夜行バスだが寝台という訳でもない。

狭い座席に直座して一晩乗り越えるという、インドらしい過酷な旅だ。

 

バスはオレンジ色の街灯に照らされた夜のデリーを走り抜け、北のヒマラヤ山地へと向かう。

 

 

ヒマラヤ山脈

 

バスの乗り心地の悪さや、椅子の座り心地の悪さがあり、熟睡とはいかず、トイレ休憩のたびに目を覚ましながら、マナリへと向かう。

 

これは7月の話で、インドでは雨季。

デリーでも降ったり止んだりを繰り返していて、湿気と熱気で蒸していたが、山岳地帯に入るにつれて空気はツンと張ってきて、夜にバスを出るとヒンヤリする。

 

曲がりくねった山道では乗り物酔いしそうになるも、夜が明けて明るくなっていく山の景色を見ることで凌ぐことが出来た。

 

バスは朝のヒマラヤ山脈の街を通り抜けて行く。

山岳民族の伝統衣装を着たおばちゃんたちが通りに座って野菜を売っている。

 

街のバス停に止まっている間に、数人の少年たちがバスの中へと飛び込んで来る。

手にはキンキンに冷えたペットボトルの水と、スナック菓子を持ち、我先にと売り込みに来る。

その次にはチャイを持ったおじさんが来て、最後にはバナナを持ったお婆ちゃんがやって来る。

 

インドでは法律があまり機能していないので、カースト制度のどの身分にいるかによっては、児童労働が普通にあり、定年退職とかも意味がない。

働けるものは皆が働いて糧を得て、家族を助け合う。

 

インドには非常にシンプルな生き物の掟があった。

 

 

 
 
 

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